タイムテレビは、過去や未来を映像で見ることができるひみつ道具です。指定した場所の特定の時間を映し出すことができ、過去に起こった出来事や、これから起こる出来事を正確に表示します。
場所や時間もおかまいなし
タイムテレビのすごいところは、
- どんな場所でも
- どんな時間でも
映し出すことができることです。過去の出来事は正確に、そして未来の出来事は現時点における暫定的な未来を描きます。
どんな場所でも映し出してしまうということは、例えば家にいながら憧れの芸能人の家の中を見たり、国家機密の情報を取り扱う情報ルームの中だって見れるんです。ドラえもんやのび太のように純粋・無欲な人が持っている限りは大丈夫ですが、悪いことをたくらむ人がタイムテレビを手に入れてしまうと、それだけで世界がひっくり返ってしまうような恐ろしいことが起きるかもしれません。
タイムテレビが持つ情報収集の恐ろしさ
タイムテレビをよく考えると、情報収集ツールとしての能力が桁外れです。過去の任意の時間・場所を映し出せるということは、犯罪の証拠を完璧に把握できることを意味します。現代の刑事司法で最も難しい問題のひとつが目撃証言や物的証拠の不確かさですが、タイムテレビがあれば事件現場の映像を100%正確に確認できます。
未来も見えるとなると、株式市場の動向や選挙結果の予測も完璧にわかります。使う人間次第で世界を動かせる道具だということで、これをのび太とドラえもんが持っているという状況は、コミックの設定として非常に面白い緊張感を持っています。
タイムマシンとの違い
時間や場所に関係なく、過去も未来も見えてしまうタイムテレビは、なんとなくタイムマシンに似た性質を持っているように思えますね。
タイムテレビは画面の前で過去・未来の出来事をながめるだけに対し、タイムマシンは時間の世界を行き来して実際にその世界に身を投じることになりますね。
気軽に過去や未来を覗ける点でいうと、タイムテレビが勝っています。用途に応じてタイムテレビとタイムマシンを使い分けるといいでしょう。
同じ時間系の道具でもタイムシーバーは時代を越えた通信・注文に特化した道具で、タイムテレビのように映像を見るのではなく取引をするという使い方をします。タイムふろしきは包んだ物の時間を前後させる道具で、これまた発想が異なります。タイムテレビは見ることに特化した観察ツールとして、時間系道具の中でも独特のポジションを持っています。
自分も見られている?
ドラえもんが発明された未来の世界では、タイムテレビは各家庭に普及しています。のび太の孫の孫にあたるセワシは、未来の世界からタイムテレビを通じてのび太の行動を見ていることもあります。
タイムテレビがあると、自分のプライバシーは全く無いのも同然です。どこで何をしていようと、全ての情報が筒抜けになってしまうからです。
ひょっとしてこうやってブログを読んでいる今の姿も、未来の誰かに覗き見されている可能性だってあるわけです。そう考えると、タイムテレビが一般に広く普及するのは恐ろしいことなのかもしれません。もしくは、タイムテレビでも覗くことができないような特殊なバリアや防御壁が一緒に発明されるのかもしれませんね。
使い捨てバージョンもあります
コミック33巻では使いすてタイムテレビが登場します。
のび太を見つけた懸賞品としてドラえもんが用意しましたが、いろいろなバージョンが用意されているのですね。
タイムテレビはバッテリー内蔵?
タイムテレビにはボタンが2つだけ付いているとてもシンプルな構造ですが、現代の電化製品には当然あるべきコンセントコードが全く見当たりません。ドラえもんに出てくるひみつ道具は、タケコプターのようにバッテリー式のものもあれば使い捨てのものもあり、果たしてタイムテレビはどうやって動いているんでしょうか。
バッテリーが内蔵されていて、よくあるひみつ道具のように使い捨ての可能性もありますね。ドラえもんの時代には超小型&超軽量の高性能バッテリーぐらい開発されているでしょうから、タイムテレビがバッテリー内蔵式でもなんら不思議ではありません。
セワシがタイムテレビで覗いていた意味
のび太の未来の子孫であるセワシが、タイムテレビを通じてのび太の行動を観察していることは、物語の構造上非常に重要な意味を持っています。未来の人間が現在の人間を見守っているという設定は、ドラえもんが過去に来た理由そのもの(のび太の未来を変えるため)と直結しています。
タイムテレビは単なる観察ツールではなく、過去と未来をつなぐコミュニケーションの媒介として機能しているわけです。セワシがタイムテレビでのび太を見て、ドラえもんを過去に送るという決断をしたとすれば、タイムテレビはドラえもんという物語の起点に深く関わる道具だということになります。
タイムテレビ、あなたはどう使う?
もしあなたがタイムテレビを手に入れたら何に使いますか?
- 宝くじ1等が出た売り場を調べ、そこで買い占める
- 見過ごしたテレビ番組を見る
- 100%当たる占いを開業する
- 値上がりする株の情報を仕入れ、事前に仕込む
やはり過去・未来の出来事を把握できるタイムテレビは、私利私欲のために使われることがほとんどではないでしょうか。過去を変えることはタイムパラドックスの原因になるので、あまりに目立つものはタイムパトロールの検挙対象になってしまうかもしれませんね。十分ご注意を。
タイムカメラと比べると、タイムカメラは静止画を撮影するのが主な機能なのに対し、タイムテレビは映像として連続的に見られるという違いがあります。どちらも時代を越えた記録・観察という点では共通していますが、用途によって使い分けが変わってきます。過去の事件の詳細を動画で確認したい場合はタイムテレビが有利で、特定の瞬間を記録して残したい場合はタイムカメラが活躍します。
未来の映像は暫定的という設定の深さ
タイムテレビが映し出す未来の出来事は、あくまでも現時点における暫定的な未来という設定になっています。これはドラえもんの世界観の中でも特に深い部分で、未来は確定したものではなく、現在の選択によって変わりうるという前提がそこにあります。
タイムテレビで未来を見て、その未来を変えようとすることが、そもそもドラえもんというロボットがのび太のもとに来た理由です。セワシがのび太の未来をタイムテレビで確認し、そのままでは不幸な未来になると判断してドラえもんを送り込んだとすれば、タイムテレビは物語の因果関係の中心にある道具です。
暫定的な未来が映し出されるということは、タイムテレビを見て行動を変えれば、未来も変わるということを含意しています。これは単なる観察ツールではなく、行動変容のトリガーになる道具だということで、非常に奥深い設計思想です。
コミック1巻から登場する道具の古株感
タイムテレビはコミック1巻から登場する、ドラえもんの道具の中でも古参の部類に入ります。連載初期からこれほどのスペックを持つ道具を登場させていたことに、改めて驚かされます。後に登場するタイムマシンと合わせて、ドラえもんの世界における時間概念の根幹を担う道具として位置づけられています。
使い捨てタイムテレビという廉価版が後年登場したことも、この道具の人気と需要の高さを示しています。高性能版と廉価版が両方存在するということは、タイムテレビが22世紀社会において非常に普及した生活必需品であることを示していて、そういった世界観の細かい積み上げがドラえもんという作品の奥行きを作り出しています。




