どんなにあさっての方向に物を投げてもちゃんと狙った場所に当てることが出来る、そんな道具があったらいちいち狙わないでいいので、便利ですよね。
今回はそんな便利なひみつ道具『エースキャップ』を紹介します。
さぼりの天才のび太
のび太がマトにボールを当てる練習をしていますが、いくら投げてもうまく当てられません。
「僕にはコントロールの才能がないんだな」とあきらめ気味ののび太にドラえもんが出した道具がエースキャップ。
一見普通の野球帽に見えますが、これをかぶるだけでボールを狙った場所に百発百中で当てられるというものでした。
投げたボールはまるで生き物のようにマトに吸い寄せられます。
ドラえもん6巻「エースキャップ」P101:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
喜ぶのび太にドラえもんは「それをかぶって野球をやれば名選手になれるよ」と野球に誘いますが、実はのび太の真の目的は別にありました。
寝そべった状態でゴミをゴミ箱に投げ入れたり、本を本棚に戻したり、つまりいちいち起き上がるのが面倒なので、投げて解決したいということだったんです。
さすがさぼりの天才のび太。
発想が人とは違いますね。
でも、こういう「ラクしたい」という人間の小さな欲望があるおかげで、日々新しい技術の発展につながっていることも忘れてはいけません。
自分を投げる
しずかちゃんからかかってきた電話に出ることすら億劫になったのび太は、なんと驚くべき行動に出ます。
エースキャップをかぶった状態で自分の服をつまみ、自分を投げ飛ばしたのです。
ドラえもん6巻「エースキャップ」P104:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
まさかエースキャップの製作者も、自分で自分を投げる人がいるとは夢にも思ってなかったことでしょう。
実はこのときしずかちゃんは、北海道からのび太に電話をかけていたため、のび太は空高く舞い上がり、北海道のしずかちゃんの元に飛んでいくというオチがついていたのです。
ドラえもん6巻「エースキャップ」P104:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
射撃がうまいが投てきはダメ
のび太は射撃の天才として知られています。
しかし、物を投げることに関してはてんでダメ。
一言でコントロール力とはいっても、拳銃を使うか、自分の腕の力を使うかで、結果は大きく変わってくるのですね。
果たして野球がうまくなるのか?
エースキャップは百発百中のコントロールが特徴ですが、それが上手な野球につながるとは限りません。
- 球速が遅い
- 変化球を投げられるかどうか不明
- ボールのコースを読まれやすい
キャッチャーミットに向かって真っ直ぐに飛ぶということは、バッターからすれば軌道予測がとても簡単です。
真っ直ぐ飛ぶだけのボールは格好の狙い目なので、エースキャップを使うからといって野球が上手になるわけではありません。
野球以外の使い道
のび太がゴミ捨てや自分を投げる時に使ったように、エースキャップは野球以外の使いみちを探すほうが効果的と思われます。
最も効果があるのはバスケットボールではないでしょうか。
どこから投げてもリングに向かってボールが飛ぶため、必ず得点できるわけです。
もはやゲームとして成立しなくなりますね。
また、『どこでも大ほう』のように、物流の手段としても使えそうです。
目的地をイメージしながら梱包物を投げれば、百発百中でお届け先まで向かうのです。
ただし、荷物の安全性は担保されないため、そこは割り切りが必要です。
野球用途で再登場
エースキャップはコミック7巻「ジャイアンズをぶっとばせ」で、だれでも野球が上手くなる3つの道具の1つとして再登場します。
女の子の寄せ集めチームでひみつ道具を使うのですが、監督ののび太がうまくチームをまとめることができず、しっちゃかめっちゃかな悲惨な結果に終わることになるのですが・・・。