『遠写かがみ』に写したものを、家の中〜街中の範囲の中であらゆるガラスや水たまりなどに写すことができます。
半強制的なCMのような役割のある道具ですね。
使い道はかならず存在する
いたずら目的ぐらいでしか使い道のない『遠写かがみ』は壊してしまおうとドラえもんがハンマーを振り上げますが、のび太の冴え渡るアイディアが炸裂します。
遠写かがみを使ってコマーシャルを写そうというのです。
ドラえもん14巻「かがみでコマーシャル」P27:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
15秒スポットを100円で販売する計画を考え、なんと1時間で2万4千円ものお金を稼ぐ算段を立てました。
小学生ののび太が稼ぐ金額としては十分すぎる額です。
せっかく見つけたスポンサーの和菓子屋さんですが、はじめはうまくいかず、もうお店を畳もうとまでしたのです。
結局、あまりにも美味しそうに和菓子を食べるドラえもんとのび太の姿を見てお客さんが殺到するというちょっとうれしいオチとなるのでした。
ドラえもん14巻「かがみでコマーシャル」P33:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
現代でも欲しがる人がたくさんいる
姿を写す鏡や水たまりなど、あらゆるものに任意の映像を映し出す遠写かがみ。
これほどまでに効果的なコマーシャル媒体は現代でもありません。
映像を届ける範囲は街中が最大ですが、それでもターゲットを絞った効果的なマーケティングができるでしょう。
消費者の顔を写すことがポイント
コミックでは、和菓子を美味しそうに食べるドラえもんとのび太の姿が決め手となり、大勢のお客さんが押し寄せました。
現代でもInstagramの写真においしそうな料理を載せてお客さんを集めようとするお店がほどんとですが、実は料理やお店の雰囲気よりも、おいしそうに食べるお客さんの姿を写して紹介したほうが効果的と言われます。
ドラえもん14巻「かがみでコマーシャル」P33:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
心からおいしそうに見える様子は、大勢の人の心をわしづかみにし、自分も食べてみたいという欲を掻き立てるのです。
そういう意味で、ドラえもんとのび太がひたすら和菓子をおいしそうに食べるシーンは、図らずとも非常に影響力のあるコマーシャルになったのでした。
冴え渡るのび太のセンス
遠写かがみを使ったマーケティングのアイディアはのび太の発案です。
のび太はドラえもんのひみつ道具を色々な側面から柔軟に使いこなす才能があります。
マーケティングの効果や投資効率などは一切わからないはずですが、面白そうとか、ワクワクするとか、子どもながらの豊かな発想力をいかしたアイディアが多いですね。
やはりこのあたりの能力が、将来は自ら会社を興して社長にのぼりつめるのび太の力なのでしょう。