「世界中で落ちて使われてないお金をちょっとづつ集めれば大金持ちになれるのでは?」と夢を抱く人はいるでしょう。
しかしお金なんてそうそう落ちてないし、手間をかけても小銭しか拾えなかったりと、対価に労働が見合わない場合が殆どです。
今回はそんな手間を省いてくれるひみつ道具『カネバチ』の解説です。
カネバチとは?
蜜ではなく、お金を集めてくる蜂型ロボットです。
人を刺したりはしない安全仕様なので、ケガの恐れもありません。
集めてくるお金に貨幣紙幣の区別はなく、使った人の近所が収集範囲となります。
ドラえもん8巻「カネバチはよく働く」P104:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
的確にお金の位置を突き止めて効率よく集めてくれるので、一度使ったらやみつきになること間違いなしですね。
コミックでの使われ方
ママから言われてのび太がドブ掃除をしていると、100円玉を発見しました。
これに気を良くしたのび太は、落ちているお金を集めれば大金持ちになれると思いつき、ドラえもんに頼んで出してもらったひみつ道具が『カネバチ』です。
カネバチを町中に放して落ちているお金を集めさせるのび太でしたが、ママから「落ちているお金を勝手に使ったら罪になる」と諭されます。
ドラえもん8巻「カネバチはよく働く」P105:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
仕方なく警察に届けると「拾った場所が正確に分からないと受理できない」と言われ、カネバチにお金を元の場所に戻すように言いますが、その勝手な申し出を聞いて怒ったカネバチたちは、のび太たちに襲い掛かるのでした。
拾ったお金をネコババしてはいけません
大人になってから読むと、のび太たちが集めたお金はせいぜい数千円なので、これぐらいなら黙って使っても大丈夫なのでは・・・?と思ってしましますが、そこはやはり小学館連載だけあって、不正は許されないようです。
小銭ならいいのでは?と思ってしまう大人は汚れてますね。
特にママの口から『拾得物横領罪』という言葉が出てくることや、おまわりさんの反応など、犯罪に関しては微妙なリアル感があります。
ドラえもん8巻「カネバチはよく働く」P105:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
拾ったお金を勝手に使ってはいけないという事は、当時の子どもたちの頭の中に刷り込まれたことでしょう。
余談ですが、他の学習誌の連載作品の中でお金を拾うと、どんなにお金に困っているキャラでも、必ず警察に届けに行く流れになる話が多いので、藤子先生が厳しいというよりも、小学館の編集部サイドが厳しかったと想定されます。
カネバチに似た道具
ドラえもんのひみつ道具から離れてみてみると、カネバチと似たような使われ方をしていたのが、『ジョジョの奇妙な冒険第4部』に登場する『重ちー』のスタンド『ハーヴェスト』があります。
こちらも小さな虫状のスタンドを複数従え、家の軒下や自販機の裏にあるお金や抽選券などを集めることができます。
ちなみにジョジョにおけるお金の扱いに関しては、主人公である東方仗助曰く「落ちたお金を日本経済に戻してやってる」という事で普通に使っていたので、この辺りは学習誌と週刊少年誌の感覚の違いかもしれません。
蜂をモチーフにした道具
話を戻しまして、カネバチを含めてドラえもんの道具には蜂をモデルにした道具がいくつかあります。
コミック36巻に登場する『シズメバチの巣』は、小さなツボ状の巣の中に『シズメバチ』という蜂ロボット(おそらくモデルはスズメバチ)が住んでいて、蜂が刺すことで人の怒りをしずめてくれる効果があります。
ドラえもんプラス1巻の『ハチにたのめば何とかなるさ』に登場する『なんとかばち』は、やはり巣に入っていますが、対象者が困難に直面すると色々な事を偶発させ、その名の通り「なんとか」してくれるようになっています。