好きな場所の景色を周囲に映し出すことができる『観光ビジョン』。
大自然に囲まれた勉強部屋など、お好み次第で自由にアレンジすることができます。
勉強は環境作りから
勉強に適した部屋がほしい!というのび太の強い想いを受け、ドラえもんは『観光ビジョン』でのび太の部屋に様々な景色を投影します。
カナダの公園、北極、サハラ砂漠など、『観光ビジョン』に映し出せない場所はありません。
ドラえもん16巻「サハラ砂漠で勉強はできない」P135:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
軽井沢の別荘で勉強をしているスネ夫にちょっかいを出しながら勉強そっちのけで遊ぶのび太に対し、ドラえもんはのび太の先生の部屋の様子を映し出すのです。
ドラえもん16巻「サハラ砂漠で勉強はできない」P141:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これでのび太も集中せざるを得ない環境を作り出すことができました。
お手軽に世界旅行!
『観光ビジョン』さえあれば、高いお金を払って海外に行かなくても、お手軽に部屋の中で観光名所を見ることができます。
混まないし、一瞬で移動できるし、お金はかからない。
強いていうなら、映し出される景色はすべて映像なので、実際に物に触れることができないのがデメリットでしょうか。
雰囲気を楽しみたい人には最適なひみつ道具といえるでしょう。
広さ制限に注意
『観光ビジョン』で見た目は広くなったように見えても、もとの部屋の大きさはオリジナルのままです。
のび太の部屋で広大なカナダの公園を映しても、のび太の部屋が大きくなったわけではないので注意が必要です。
机や壁が見えなくなるので、障害物にぶつからないようにしなくてはいけません。
ドラえもん16巻「サハラ砂漠で勉強はできない」P136:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
例えば体育館のような広い空間で、『観光ビジョン』で狭い場所を映し出すといったいどうなるのでしょうか?
映像に映る壁を通り抜け、その先は体育館が広がるのでしょうか?
一種のVR(仮想現実)
観光ビジョンの概念は、現代でいうVR(仮想現実)にとてもよく似ています。
これからVRが進化すればリアルな空間を表現できるようになるだけでなく、ゴーグルがなくてもその世界に飛び込むことができるかもしれません。
もっといえば、プロジェクションマッピングで壁に映像を映す技術はすでにあるため、それを使えば観光ビジョンのような使い方ができるかもしれませんね。
ドラえもんのようにリアルな世界を表現するには、まだ技術改良が必要です。
しかし、ひみつ道具の実現に向けた一歩をすでに踏み出しているといえるでしょう。