タイムふろしき

タイムふろしきで包まれたものは、その中で時間が逆行、もしくは進行し、古いものは新しく、新しいものは古く生まれ変わります。ふろしきのうら表を間違えると大変なことになりますが、使い方をしっかり理解しておけば、これほどまでに便利なひみつ道具はありません。ドラえもんのひみつ道具の中でも定番の部類に入る一品です。

時間をコントロールする

タイムふろしきは、包み込んだ物に流れる時間をコントロールするひみつ道具です。壊れたものを壊れる前の状態まで戻したり、古いものを新品にしてしまうなど、時間を操るタイムマシンに代表されるドラえもんのひみつ道具を象徴するかのような、代表的な道具ですね。

ふろしきの大きさを超える大きなものでも大丈夫。ものの一部にふろしきがかぶっていれば、覆われているものの時間は影響を受けます。

表と裏を使い分けよう

タイムふろしきには表面と裏面が存在します。赤い面を外側にして物を包むと、時間が逆行します(物が新しくなる)。反対に青い面を外側にして物を包むと、時間が進行します(物が古くなる)。この表と裏を間違ってしまうと危険なので、使う前によく確認しておく必要がありますね。

人間に使うこともできる

タイムふろしきは人間の年齢もコントロールすることができます。コミックでは、タイムふろしきに身を包んだジャイアンが赤ちゃんにまで若返ってしまうシーンが描かれています。

ひみつ道具のタイムふろしき
実は危険なタイムふろしき

ドラえもん2巻「タイムふろしき」P97:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

赤ちゃんになったジャイアンはホギャー、ホギャーと言うだけで、いつものジャイアンの記憶は抜け落ちてしまっているように見えます。

ところが、コミック6巻「赤いくつの女の子」でのび太がタイムふろしきを使って小さくなるシーンでは、のび太は小学生の記憶を残したまま小さくなっています。

のんちゃんに会うのび太
服が原料に戻らずそのまま残るのも不思議だ

ドラえもん6巻「赤いくつの女の子」P96:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

ジャイアンのように赤ちゃんまで小さくなってしまうと記憶を失ってしまうだけなのか、もしくはタイムふろしきが改良されて記憶を残したまま小さくなるようアップデートされたのか、そこは不明です。タイムふろしきが実現され、記憶や経験を持ったまま肉体だけが若返るのであれば、世界中の権力者がどんな手を使ってでも手に入れようとするでしょうね。

手に持つのが怖い

これは個人的な意見ですが、タイムふろしきを使う時は本当に注意する必要があると感じています。手でタイムふろしきを持ちますが、自分の手の平を巻き付けてしまうと、極端な場合は手だけ若返ってしまう恐れがあります。

若くなってピチピチになればいいんですが、時間が進みすぎてしまうと、ひょっとすると白骨化するかもしれません。うかつに手に持ってしまうと、思わぬところで影響が出てきそうですね。

世の中の問題が解決

タイムふろしきがあれば、現代のあらゆる問題が解決する可能性を秘めています。

資源不足が解決

古いものを新しく再生すれば、物を捨てることがなくなります。資源を消費しなくなるので、資源不足が解消します。

森が復活

成長に50年〜100年かかる森を一気に復活させることができます。

病気がなくなる

タイムふろしきを小さくし、体の悪いところを包み込んでしまえば、悪くなる前の状態に戻すことができますね。

ごみ問題が解決

ゴミの山にタイムふろしきをかけて時間を進めると、ゴミが風化し、粉々になることが予想されます。プラスチックが自然分解するまでに数百年かかると言われていますが、タイムふろしきさえあれば一気に時間が経過しますね。

コミック2巻と6巻の二回の登場

タイムふろしきはコミック2巻に初登場し、その後6巻でも使われています。2巻での登場はジャイアンが赤ちゃんになるというインパクトのある場面で、ふろしきという日常的なアイテムが持つ時間操作の能力の面白さを存分に発揮しています。

6巻の赤いくつの女の子のエピソードでのび太が小さくなる場面では、2巻とは異なる使われ方をしていて、タイムふろしきの応用範囲の広さを示しています。同じ道具が複数のエピソードで異なる文脈で活躍するのは、その道具がドラえもんの世界観の中で確固たる地位を持っていることの証明でもあります。

ドラえもんをよく読んでいる人なら、2巻と6巻のタイムふろしきの登場シーンを比べてみると、ジャイアンが記憶を失った一方でのび太は記憶を保持したまま年齢が変わっているという違いに気づくはずです。この差異が意味するものが何か、設定の矛盾なのか改良版なのかを考えてみるのも、ドラえもん読みの楽しみ方のひとつです。

タイムふろしきが語る物の価値観

タイムふろしきという道具は、物の新旧を自在に変えられるという点で、現代の消費社会に対する問いかけを含んでいます。今の世の中では古いものは捨てて新しいものを買うというサイクルが当たり前ですが、タイムふろしきがあれば古くなったものを新品に戻すことができます。

修理して使い続けるという選択肢が、タイムふろしきによって劇的に広がります。スマートフォンのように数年で陳腐化する電子機器も、タイムふろしきで時間を戻せば新品同様に使えます。素材は新品でも中身のデータやソフトウェアはそのままというのが実現できれば、物を大切に使い続けることと最新技術を使うことの両立が可能になります。

タイムふろしきは夢の道具

なんて夢が広がるひみつ道具なんでしょうか。もし現代でタイムマシンが開発され、人間が時間を自由にコントロールできる世の中になれば、タイムふろしきの実現も見えてくる気がします。果たしていつになるか、ワクワクしながら待ちましょう。

タイムふろしきの使用上の注意

タイムふろしきを実際に使うとなると、いくつかの注意点があります。まず表裏の確認は絶対に怠ってはいけません。青い面と赤い面を間違えると、新品にしたかったものが逆に古くなってしまいます。また、物の一部だけに覆いをかぶせると、その部分だけ時間が変わるという現象が起こります。

のび太がうっかり自分の手に巻き付けてしまった場合を想定すると、手だけが老化(または若返り)するという恐ろしい事態になります。コミックではそういった危険なシーンはあまり描かれていませんが、道具の原理から考えると十分ありえる話です。使う前に何を包むのかを明確に決めてから使うことが重要で、なんとなく触っているうちに自分に当たってしまうのが最悪のケースです。

また、生き物に使う場合は特に慎重さが必要です。ジャイアンが赤ちゃんになってしまった例のように、急激な年齢変化は記憶の消失を伴う可能性があります。時間を取り扱うということの重さを、タイムふろしきはその使いやすさとは裏腹に示しています。

同じ時間系の道具でも、タイムテレビは映像で過去・未来を見るだけで物体には作用しませんし、タイムシーバーは時代を越えた通信・取引に使うものです。タイムふろしきはその中でも物体の時間を実際に操るという点でユニークで、タイムベルトのように身に着ける形ではなく包む形式というのも独特です。タイム電話が時間を越えた通話を可能にするように、タイムふろしきは時間を越えた物体の変化を可能にするという意味で、それぞれ時間の扱い方が異なる点が面白いですね。

時間をコントロールするを読み直すポイント

時間をコントロールするは、効果の派手さだけでなく、使われる場面によって印象が大きく変わるひみつ道具です。ドラえもんの道具は、性能を説明するだけなら一言で済むものも多いのですが、実際のエピソードではのび太たちの性格やその場の空気が重なって、単なる便利アイテム以上の面白さが生まれます。時間をコントロールするもその一つで、困りごとを解決する力と、使い方を間違えた時の危うさが同時に見えるところに読み応えがあります。

読者目線で考えると、時間をコントロールするを自分ならどう使うか想像しやすい点も魅力です。学校や家、友だちとの遊び、ちょっとした失敗の場面など、日常の延長に置いて考えると、便利そうに見える一方で守るべきルールも自然に見えてきます。そこまで含めて読むと、時間をコントロールするは笑える道具でありながら、未来の技術とどう付き合うかを考えさせてくれる存在でもあります。

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