とうめい人間目ぐすり

身体が透き通って目に見えなくなる透明人間は色々なSF作品で取り上げられる題材ですが、人間の身体を透明にする事なんて本当に出来るのでしょうか?

今回はそんな透明人間になることが出来るひみつ道具『とうめい人間目ぐすり』を紹介します。

とう明人間めぐすりとは?

人間の身体には元々透明な部分があります。

それは眼球のガラス体と水晶体とよばれる、見た物を目に映し出す部分です。

『とうめい人間目ぐすり』は目にさすと、水晶体と同じように全身の細胞の色素が分解され、細胞間が液体で満たされて光の屈折率が1になることにより全身を透明にします。

ドラミちゃんの解説
ドラミちゃんの解説

ドラえもん8巻「とう明人間目ぐすり」P77:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

身体しか透明にならないので、当然服などの身に着けているものは消えず、完全に気付かれなくなるためには裸にならなければいけません。

コミックでの使われ方

のび太が借りる予定だった本をジャイアンが勝手に借りてしまい、のび太は自分の力でジャイアンの家に乗り込んで、本を取り返す決意をします。

ちなみに、この時にジャイアンの伝説の名言『誰が返さないといった?えいきゅうにかりておくだけだ!』が登場します。

ジャイアンの名言
名言登場

ドラえもん8巻「とう明人間目ぐすり」P79:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

とはいっても直接乗り込むのは危険なので、ドラミちゃんからとう明人間目ぐすりを借り、姿を消した状態で決行します。

しかしこの目ぐすりでは服まで消えてはくれないので、気付かれずに潜入するためには服を全部脱がなねばならず、実際は見えないと分かってはいても裸で外を歩くのはなかなか気恥しく感じてしまうのび太。

女の子の前ではつい前を隠したりなどして、遂にジャイアンの家に乗り込みます。

透明なのでイタズラし放題

ジャイアンの家に乗り込んだのび太はジャイアンにあれこれイタズラをします。

わけも分からずひどい目に遭って戸惑うジャイアンに、いつもの仕返しをと言わんばかりに更にイタズラを決行し、酷い目に合わせて帰っていきます。

ジャイアンをこらしめる透明人間
ジャイアンの驚く顔が面白い

ドラえもん8巻「とう明人間目ぐすり」P81:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

ドラミちゃんが登場している

この話はスピンオフ作品だったドラミちゃんをドラえもんと差し替え、ドラえもんのエピソードとしている話です。

そのため話の雰囲気もいつもと微妙に違った感じがしています。

まずのび太が自ら本を取り返そうとしてますし、なぜ透明人間になるのかという原理もきちんと解説されています(その原理は冒頭の解説で書いた通り)。

こういった点は普段のドラえもん本編ではあまり見られない特徴です。

また、何も知らずに目薬を使ったパパが透明になったのをママが見て驚くというオチですが、強引にパパを登場させて、オチを担当させてしまうという点はドラえもん本編でもよく使われているパターンですね。

似たような道具として

とう明人間目ぐすりに似た道具としてまず挙げられるのは、コミックス1巻の「ご先祖様がんばれ」に
登場する『とうめいマント』があります。

関連ひみつ道具

とうめい人間目ぐすりとは違い、身体に羽織るだけで透明になり、服も一緒に透明になってくれますから、一種の光学迷彩(ステルス)が働いているものだと推察されます。

このお手軽さから使われる頻度も高い道具です。

あとコミックス36巻で登場する『とうめいペンキ』は、塗るだけで色を透明にする道具です。

関連ひみつ道具

こちらも服を脱がずに済み、ペンキを落としたい時は布などで拭けば簡単に落ちるのというお手軽な仕様です。

番外編:透明になれたドラえもん

あまり知られていない設定として、ドラえもん自身も透明になる機能を持っていました。

ドラえもんの尻尾を引っ張る事で姿を消すことができ、透明人間として活動できます。

コミックス収録分では3巻の「ああ、好き、好き、好き!」で登場した設定です。

尻尾を引っ張ると透明になるドラえもん
珍しい初期設定

ドラえもん3巻「ああ、好き、好き、好き!」P115:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

しかしこの設定は連載初期の数回で消えてしまい、その後ドラえもんの尻尾は電源スイッチの設定に変更されたので、現在では幻の設定となっています。

藤子F不二雄先生によると「便利過ぎた」という事でなくしたそうです。

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