いままでこそこそやっていたことを大っぴらにやるようになる『ウラオモテックス』の紹介です。
スネ夫のように、人によってコロコロ態度を隠し、お世辞ばかり言う人にとって天敵となるようなひみつ道具です。
スネ夫は世渡り上手
大人の前ではいい格好をし、友だちにすらお世辞をいって世の中を上手に渡っていくスネ夫。
小学生ながらこの性格はアッパレですが、スネ夫の本性を知っているのび太からすれば面白くありません。
スネ夫にボロを出させてやろうと裏で動くものの、結局すべてのび太が貧乏くじを引いてしまう始末。
ドラえもん12巻「ウラオモテックス」P28:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
あわれに感じたドラえもんが出したひみつ道具が『ウラオモテックス』でした。
これを貼られた人は、今までこそこそと本音を隠してやっていた行動を大っぴらにやるようになるといいます。
- 堂々と花泥棒をする
- 花でしずかちゃんの機嫌を取る
- ジャイアンの歌を酷評する
- のび太のママの小じわを指摘する
今までうまく人の心を掴んでいたスネ夫だけに、ウラオモテックスを貼られてから何もかも失敗ばかり。
スネ夫のように上辺だけ取りつくろって生きている人に効果的な道具といえるでしょう。
スネ夫のお世辞
ここまで言うか?というスネ夫のお世辞を集めました。
ジャイアン
ドラえもん12巻「ウラオモテックス」P25:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ジャイアンの好きな歌をいじるのは鉄板中の鉄板ですね。
しずかちゃん
ドラえもん12巻「ウラオモテックス」P26:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
女性へのプレゼントは喜ばれます。
のび太のママ
ドラえもん12巻「ウラオモテックス」P26:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
友人の親にここまで言える小学生はなかなかいません。
自分の気持ちを押し込んでしまう日本人からすると、スネ夫のような性格の人は珍しいかもしれません。
恥ずかしいという気持ちを抑え、人からどう見られるかなど気にもしないで行動に移せるスネ夫は、案外おおものなのかもしれません。
スネ夫も真人間になれ?
スネ夫のようにいつもいいことばかり言う人は嫌われる傾向にありますが、それは普段の行動と嘘の行動が異なるからです。
いつも本音を表に出し、自分の意見を持って生活していればウラオモテのない人生になるでしょう。
とはいうものの、それをやってしまうとスネ夫というキャラクターの個性がなくなってしまいます。
性格が普通になったスネ夫の取り柄といえば、
- 多少は勉強ができる
- お金持ち
- 食のセンスがある
- 多趣味
などがありますが、主要な登場人物としては扱いにくいかもしれません。
それこそ出来杉くんのようなポジションになり、登場回数が減ってしまうかも?
スネ夫はスネ夫の性格のままのほうがいいのかもしれませんね。
おまけ:器用なのび太
今回の話には注目すべき1コマがあります。それがこちら。
ドラえもん12巻「ウラオモテックス」P27:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
なんとのび太が寝っ転がりながら足の指でけん玉をしています。
これが物語に直接影響することはなく、登場はこの1コマのみですが、読者に衝撃を与えたことでしょう。
のび太は指先を使うような細かい作業が得意なんですね。