眠った状態の人を、寝ながらの状態でその場に集めることができる『ゆめふうりん』です。
夜、一度にたくさんの人を集めたり、特定の人物を呼び出す時に効果を発揮します。
のび太の夢を叶えるため
のび太の将来の夢「ガキ大将になる」を叶えるため、ドラえもんが出したひみつ道具がゆめふうりんです。
現実世界ではいじめられっ子ののび太が、せめて夜の世界だけでも威張れる存在になれば・・・というドラえもんの優しさが見られます。
ゆめふうりんで起こされた人は、寝ている間どんな命令でも聞くというメリットを活かし、一夜限りのガキ大将が誕生します。
高機能なゆめふうりん
ゆめふうりんのダイヤルを調整すると、ふうりんの音色を聞かせる対象を絞ることができます。
例えばコミックの中でドラえもんは「10歳ぐらいの子だけに聞かせよう」と言いながら設定を変更しました。
さらに、大長編「ドラえもんのび太の恐竜」では、名前をいって特定の人物にだけ音色を聞かせる様子も紹介されており、声認証システムも搭載していることが考えられます。
大長編のび太の恐竜P61:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しかし、のび太の恐竜に登場したのは『夢風鈴(すべて漢字表記)』です。
コミックに登場するのは『ゆめふうりん(全てひらがな)』のため、大長編ではゆめふうりんがバージョンアップしている可能性も考えられますね。
寝ている人は判断力がにぶる
ゆめふうりんで集められた人は眠った状態なので、通常時と比べると判断力がにぶっています。
相撲大会の景品を持ってこいと命令したはずなのにゴミを持ってくることなどがあるため、100%満足する動きは期待しないほうが良さそうです。
働きたい人は夢のような道具
ゆめふうりんのすごいところは、寝ながらにして行動できることです。
つまり、周りの誰かにゆめふうりんを渡しておき、自分が寝た後でゆめふうりんで起こしてもらい、昼間に溜まった仕事を片付けるよう命令してもらえば、朝起きるとすっかり仕事が片付いているような使い方ができます。
寝ている間は判断力がにぶることから、頭を使う難しい仕事ではなく、書類整理や単純作業を用意しておけば、ほとんど間違うことなく仕事を効率的に進められるでしょう。
使いすぎに注意
ゆめふうりんの音色を聞いて集まる人は、自分が夢遊病のように歩き回っていることを知りません。
夜の出来事が、まるで夢だったかのような記憶になるようです。
ドラえもん2巻「ゆめふうりん」P47:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
睡眠時間は、昼間に蓄積された肉体的疲労を回復し、翌日の活力を生み出すための大切な時間です。
本来は体が休んでいるところ、ゆめふうりんの力で体はずっと行動し続けるわけです。
しかもタチが悪いことに、本人は自分が徘徊していることに気づいてないため、どれだけ寝ても体は疲れたまま。
原因不明の疲労がたまり、体調を崩してしまうおそれもあります。
ゆめふうりんの音色を聞かされる人のことを考えるのであれば、過度な使いすぎには注意が必要です。
実現は困難か
ゆめふうりんは外部の力で物理的に他人の体を動かしているわけではなく、本人の脳に音波が作用し、本人の意思と力で体を動かしています。
脳の力が完全に解明されていない現代において、眠る他人を音だけで自由に操る技術の実現は、かなり未来の話になることでしょう。
悪用される可能性も考えると、仮にゆめふうりんに似たものが開発されても、表には公表されないことが考えられますね。