床置き型のトンネル状のひみつ道具『ガリバートンネル』。
大きい入り口から入ったものは、小さい出口から大きさが縮んで出てきます。
その逆もあり、小さい入り口から入ったものは、大きい出口から大きくなって出てきます。
ガリバートンネルの登場
『ガリバートンネル』が初めてコミックに登場するのは、ドラえもん第3巻「ゆめの町、ノビタランド」の回で、別のひみつ道具『ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ』と一緒に使われました。
ミニチュアの建造物をつくり、夢の町を創造しよう
建物等の実物をそのままの性能・効能のままに(そこで売っている本や食べ物もすべてミニチュアだが本物)小さくした町を楽しむために、人間をミニチュア化するために登場しましたね。
ドラえもん3巻「ゆめの町、ノビタランド」P128:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ガリバートンネルの名前は、アイルランド出身の風刺作家であるジョナサンスウィフトが著した「ガリヴァー旅行記」から持ってきたんだと思われます。
ガリバートンネルのようなひみつ道具
物を大きくしたり小さくするひみつ道具といえばドラえもん定番の道具「スモールライト」が有名ですね。
どちらも物質(人物や一般の物)を一定の大きさに小さくする機能があるひみつ道具ですが、この2つには明確な違いがあります。
ガリバートンネル
- 小さくなっていられる時間的制約がないが、縮小率は出入口の大きさに限定される
スモールライト
- 縮小率は照射する時間で調整ができるが、照射後、一定時間が経過すると元の大きさに戻ってしまう
ただ、スモールライトの効果が一定時間で消えてしまう設定は、ある意味においてセーフティーネット機能であるとも言えますね。
仮にガリバートンネルを逆に進むことができない何らかのトラブルが生じた場合、元の大きさに戻れないリスクがあります。
ガリバートンネルの使いみち
コミックの中では「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」で建物の実物をそのままジオラマ化し小さくなった町(ノビタランド)で遊ぶ目的でガリバートンネルが使われています。
登場人物が小さくなることで、楽しく遊んだり、たくさんのどら焼きをお腹いっぱい食べたりという夢のような出来事が実現できますね。
ドラえもん3巻「ゆめの町、ノビタランド」P131:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ガリバートンネル単体では、単にものを小さくする効能となってしまい、正直いうと使い勝手が限定されるのでは?と思ってしまいます。
ただし、別のエピソードでは、未来の世界においてしばしば資源保護のために、資源の利用者を小さくすることにより資源保護を行っているといった説明もあり、現代社会に生きる私たちに対してメッセージを送っているかのようにも見えますね。
ガリバートンネルのここが矛盾
ドラえもんは子ども向けのマンガだということは忘れ、冷静にガリバートンネルを分析したいと思います。
人が大きい方の入り口から小さい方の入り口を目指して進んだ場合、体の縮小に比例して、歩幅も小さくなる現象が発生しているはずです。
身長150cmの人間が仮に5cmまで縮小した場合、30分の1スケールとなります。
同時に身長150cmの人間の歩幅が60cmだと、同比率で身長5cmの時点で歩幅は2cmです。
ガリバートンネルの入り口から出口までの長さをわかりやすく150cmとすると、5cm進むごとに身長も5cm、歩幅も2cmずつ縮んでいきます。
となると、トンネル内では、加速度的にトンネルの小さい方の出口になかなか辿り着かない事態が発生している可能性があります。
一体、トンネルの入口から出口までどのくらいの時間を要するのか、いつかトンネル通過体験者のコメント頂きたいと思います。
いつか実現してほしいひみつ道具
数あるひみつ道具の中でも、実現可能性の極めて困難な道具であると考えられ、医学、物理学、量子力学など、あらゆる分野での研究が進み、未来の秘密道具のラインナップに一日も早く加わってもらえることを望みます。