他人に謝るというのはとても難しい事です。相手が怖い人だったらなおさらです。
なんたって相手が自分の言葉をどう受け止めて、どう出るのか分かりませんからね。
今回はそういった時に相手がどういった反応をするかを知るためのひみつ道具『反のうテストロボット』です。
ジャイアンの私物を汚したのび太
ジャイアンが貸してくれた本を汚してしまったのび太。
どうやって打ち明けたらジャイアンからひどい目に合わされずに済むか練習していたのび太はドラえもんに助けを求めます。
そこでドラえもんが出したのが『反のうテストロボット』でした。
顔のパネルに似顔絵を描くことで、その人間の人格をトレースし、反応を見ることが出来るといいます。
さっそくジャイアンの似顔絵を描いてみることに。
ドラえもん7巻「テスト・ロボット」P141:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
どうやっても怒られる
ジャイアンロボットに謝ってみた結果がこちら。
軽いノリで打ち明け「水に流そうよ」と笑って誤魔化す
かえって怒らせてしまい、胸ぐらをつかまれる。
まぁ当然といえば当然の結果です。ジャイアンじゃなくても誰でも怒りますよね。
きちんと頭を下げて謝罪の意を示す
頭を下げ、「本当に悪かった。どうか君の気の済むようにしてくれ」といった途端、「いいかくごだ!気の済むまで殴ってやらあ!」とまたしても殴られてしまいます。
ドラえもん7巻「テスト・ロボット」P142:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
んー、ジャイアンの性格を考えるとよくわかりますねぇ。
本を押し付けて逃げる
ヤケになり、本をジャイアン(の意思を持つロボット)に押しつけ、とぼけて走り去りますが、後から追いかけられてやはり殴られてしまいます。
何をどうやっても殴られてしまう運命ののび太。
なんともかわいそうです。もうドラえもんからも「君はどうしても殴られるんだよ」と
諦めるように言われてしまいますが・・・
性能のいいロボット
他人に謝るというのとても難しい事です。
ましてや相手はあのジャイアン。
反のうテストロボットはそんな相手の性格をよく反映し、起こりうる行動を完全に再現します。
実際に謝っているわけではないし、ジャイアン本人の知らないところで実験が進んでいるわけですね。
謝罪のときだけでなく、楽しい話や悲しい話を試しに打ち明けてみたり、色々なシーンで予行演習できちゃうんです。
1つ問題点をあげるとするならば、ちゃんと相手の顔を上手に描けるかどうかですが・・・。
アニメ版で再登場します
反のうテストロボットは、アニメオリジナルエピソードで再登場します。
しずかちゃんたちが「リサイクル活動」を「リサイタル活動」と誤って表記したことをきっかけにジャイアンがリサイタル(歌)を開こうとしますが、それを阻止するために使われました。
使い方は本作と同じで、勘違いであることをどうやって伝えるか色々と試し、その反応を見るために登場したのです。
結局言葉での説得はどれもダメという結果になり、最終的には反のうテストロボットにジャイアンの母ちゃんの似顔絵を描き、母ちゃんの人格をトレースさせてリサイタルを阻止する事に成功したのでした。
似たひみつ道具『アンケーター』
これに似たような道具では、コミックス28巻「しずちゃんの心の秘密」に登場した「アンケーター」があります。
髪の毛を入れる事でその人間の疑似人格を作ることができるすぐれもの。
この時はのび太がしずかちゃんにバースデープレゼントを贈ろうと、一番好きな食べ物を調べるために使われました。
しかしこれ、思い切り相手のプライバシーの侵害になりそうな気もしますが・・・。
ちなみにしずかちゃんの好きな食べ物は焼き芋です。