風船いかだ(ふうせんいかだ)

風船のように空気を入れて簡単に使える『風船いかだ』というひみつ道具を紹介します。

風船いかだとは?

いかだというのは、本来は丸太を集めてロープで固定して作る簡易的な船の事です。

構造が簡単なので無人島に漂流した際に作り出す船として映画などでお馴染みですね。

しかしいくら構造が簡単といっても、丸太を運ぶのは人力では結構大変です。

一方、風船いかだは空気を入れるだけで簡単に作れるいかだのこと。

ゴムボートのように見えますが、海を渡る時など本格的な使用もできる優れものです。

無人島に出かけよう

使用済みの割り箸を集めているのび太。

不思議に思ったドラえもんが訳を聞いてみると、なんとのび太はロビンソン・クルーソーのように無人島の冒険をするため、いかだ作りの材料を集めているんだとか。

誰がどう考えても割り箸でいかだが作れる訳はなく、それを悟ったドラえもんが出したひみつ道具が風船いかだでした。

空気を入れる前は手のひらサイズのコンパクトな設計です。

手のひらサイズの風船いかだ
見た目は完全におもちゃ

ドラえもん6巻「のび太漂流記」P107:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

膨らませると人が乗れるサイズへと膨張します。

いかだサイズまで空気を入れようとするとかなり大変だと思いますが、そこはさすが未来のひみつ道具、特に苦しむような描写もないので、誰でも簡単にふくらませることができるようです。

風船いかだの不思議

空気で膨らませるという辺り、現代のゴムボートのような道具ですね。

普通のゴムボートで無人島へ行こうとするのは、強度を考えるとかなり無謀で危険ですが、風船いかだは十分な強度があります。

ところが、コミックを見る限り、風船いかだには推進器の類が一切ついていないのです。

推進器がない風船いかだ
どうやって移動するつもりだったのだろうか

ドラえもん6巻「のび太漂流記」P108:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

上のコマを見ての通り、風船いかだは海面にただ浮かんでいるだけに見えます。

のび太はオールすら持っておらず、海流に漂って流されているだけのようにも見えますね。

要するに、単純に漂流しているだけの状態です。

念波式で操縦できるようにも見えないので、どうやって乗りこなせばいいのでしょうか?

安全性にも疑問が残る

見た目が完全にゴムボートの風船いかだ。

少しでも海が荒れようものなら、あっという間に転覆してしまいます。

空気が入っているので沈没することはないにしても、いかだに乗っている人の安全性は担保されません。

透明なバリアのようなものが張られている可能性はありますが、コミックではそこまで言及されていません。

似たようなひみつ道具

風船いかだに似たひみつ道具も登場します。

大長編「のび太の宇宙開拓史」に出てくる『救命イカダ』や、大長編「のび太とブリキの迷宮」では『絶対安全救命イカダ』などがあります。

どちらも風船いかだと比べると造りが立派で、手のこんだひみつ道具です。

風船いかだはあくまでも応急的に使うひみつ道具といえそうですね。

結論:ちょっといいゴムボート

手のひらサイズのコンパクト性はさすが未来のひみつ道具ですが、それ以外に目立った特徴がない風船いかだ。

せめてエンジンが搭載されていればよかったのですが、オールすら付属しておらず、現代のゴムボートの耐久性が大幅に向上した代物といえるでしょう。

もう少しひねるのある道具だったらよかったですね。

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