流れ星ゆうどうがさ

宇宙の流れ星をキャッチすることができる道具、それが流れ星ゆうどうがさです。傘を開くと周辺を飛んでいる流れ星を傘の中に引き寄せ、捕まえることができます。ただし大きすぎる流れ星を捕まえてしまうと地球規模の危機に発展する可能性があるため、取り扱いには細心の注意が必要です。

願いを叶えて流れ星

ゲーム機がどうしても欲しいのびたは流れ星にお願いをしますが、すぐに消えてしまうためなかなかうまくいきません。

そこで流れ星ゆうどうかさを使って流れ星をキャッチしようと計画するのですが、捕まえたのは宇宙空間をさまようSOSカプセルでした。

流れ星ゆうどうがさ
隕石を引き寄せる効果

出典:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄「ドラえもんプラス5巻「流れ星ゆうどうがさ」P55:小学館

結果的に、宇宙人を助けた代わりにゲーム機を入手することができたのびたなのでした。流れ星への願いが思わぬ形で叶うという、ドラえもんらしい展開です。のびたが偶然宇宙人を救うという大きな功績を立てながらも、本人はゲーム機が手に入ったことに喜んでいるというオチも微笑ましいエピソードです。

このエピソードはドラえもんプラス5巻流れ星ゆうどうがさに収録されています。流れ星という身近な夢を叶えようとした結果、宇宙規模の冒険に発展するという壮大な展開は、プラスシリーズならではのスケール感があります。のびたのひみつ道具の使い方がきっかけで宇宙人との交流が生まれるという展開は、ドラえもんらしい夢の広がりを感じさせてくれます。

近くの流れ星をつかまえます

流れ星ゆうどうがさを使うと、周辺を飛んでいる流れ星を傘の中に捕まえることができます。

流れ星はそもそも小さな隕石が正体なので、大きすぎる流れ星を捕まえてしまうと下手すると地球が大変なことになってしまいます。台風の卵のように天候や自然現象を意図的に操るひみつ道具でも使い方を誤ると大惨事になりかねませんが、流れ星ゆうどうがさは宇宙規模の危険性があるという点でさらにスケールが大きい道具です。

流れ星を引き寄せるという行為は、宇宙のスケールで考えると非常に大きな力を伴います。ドラえもんのひみつ道具の中には宇宙や自然現象に干渉するものが複数存在しますが、それらを子どもが気軽に使えるひみつ道具として描いているところに、藤子F不二雄先生の壮大な発想が感じられます。

うかつに使うと危険

あまりに大きな隕石を捕まえそうになった時には流れ星ゆうどうがさの取り消しボタンをすぐに押しましょう。

流れ星ゆうどうがさ
地球滅亡の危機??

出典:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄「ドラえもんプラス5巻「流れ星ゆうどうがさ」P54:小学館

取り消しすれば流れ星は宇宙空間に帰っていくので、地球滅亡の危機を回避できるのです。流れ星を捕まえるという夢のある使い方の裏に、一歩間違えれば取り返しのつかない事態を招くという緊張感が同居しているのが、この道具の特徴です。

宇宙や天気に関わるひみつ道具は、スケールが大きい分だけリスクも大きくなりがちです。お天気ボックスのように比較的安全に使える道具と違い、流れ星ゆうどうがさは宇宙空間から物体を引き寄せるという性質上、慎重な判断が常に求められます。取り消しボタンという安全装置が付いているのは、そのリスクを設計段階で考慮したドラえもんの世界ならではの配慮と言えます。

星に祈るよりも心がけが大切

そもそも、星にお願いすることで希望が叶うというのは間違いなのです。

欲しい物や成し遂げたいことがあれば常日頃そのことばかり考えるはずです。

一瞬で消えてしまう流れ星を見かけた時に3回祈りを捧げられるぐらい、普段からそのことばかり考えるようにしていれば願いは叶うというのがこの正体なのです。

いくら流れ星ゆうどうがさで流れ星を引き寄せたとしても、他にももっと大切なことがあるはずなんですけどね。ねがい星のエピソードでも語られているように、星に頼るよりも日々の努力と心がけの積み重ねこそが本当の意味での願い成就につながるのです。

のびたがゲーム機を欲しがって流れ星に頼った結果、宇宙人を助けるという思わぬ善行を果たしたように、自分のための願いが巡り巡って誰かの役に立つこともあります。星を追いかける行動力と、予期せぬ出来事に対応する柔軟さ。それがのびたの物語を通して伝わってくるメッセージのひとつかもしれません。

宇宙に向けて傘を広げるというビジュアルは、子どもの夢と宇宙の壮大さを結びつけるドラえもんらしいイメージです。タケコプターのように空を自由に飛んで宇宙に近づける道具があれば、流れ星ゆうどうがさの使い勝手もさらに向上するでしょう。空高く舞い上がって流れ星をキャッチする場面を想像すると、この道具の本来のポテンシャルがより鮮明に見えてきます。

さすと雨が降る傘として知られるさすと雨がふるかさのように、傘をモチーフにしたひみつ道具はいくつか登場します。流れ星ゆうどうがさはその中でも宇宙という最大スケールの現象と傘という日常品を組み合わせた、発想の飛躍が際立つ道具です。日常と宇宙をつなぐというテーマは、ドラえもんという作品が一貫して大切にしているものでもあります。のびたという普通の男の子が、ひみつ道具を通じて宇宙人と出会い、彼らを助けるという体験をするこのエピソードは、夢の大きさと行動の大切さを伝えるドラえもんプラスならではの名篇です。

流れ星を捕まえるという夢のある行為が、思いがけない形で宇宙人との接触につながるという展開は、ドラえもんプラスというシリーズが持つスケールの大きさを象徴しています。ゲーム機が欲しいという小さな願いが宇宙規模の冒険に発展するというギャップも、このエピソードの魅力のひとつです。ドラえもんのひみつ道具は、使い手が予想もしない展開を引き起こすことがよくありますが、流れ星ゆうどうがさはその典型と言えます。

宇宙に関わるひみつ道具はドラえもんのコミックや映画に多数登場し、作品の世界観を宇宙規模に広げる重要な役割を果たしています。流れ星ゆうどうがさもその一員として、地球と宇宙をつなぐ橋渡し的な道具として機能しています。星を眺めながら夢を語るのびたという普通の子どもが、ひみつ道具を手にすることで宇宙とつながれるという物語の豊かさは、長年にわたってドラえもんが多くの人に愛され続けている理由のひとつではないでしょうか。

流れ星という現象は古くから人間の夢や願いと結びついてきた自然現象です。それをひみつ道具として捕まえるという発想は、人間と宇宙との関係を子どもにわかりやすい形で描いています。流れ星が実は隕石であるという科学的な知識と、流れ星に願いをかけるという文化的な習慣の両方を取り込んで道具に仕立てた流れ星ゆうどうがさは、ドラえもんらしい科学と夢の融合を体現しています。子どもが読んで楽しみ、大人が読んで感動できるのがドラえもんという作品の力ですが、このエピソードもその魅力を十分に発揮した一篇です。

願いを叶えるという行為には、ひみつ道具の力だけでなく、そもそも何を願うかという本人の価値観が大きく関わります。のびたがゲーム機を欲しがるという願いは子どもらしくて微笑ましいものですが、その願いを追いかけた結果として宇宙人との出会いという思わぬ体験につながりました。欲しいものを求めて行動することで、予想外の素晴らしい経験が生まれることがある、というメッセージはドラえもんの物語の随所に散りばめられています。流れ星ゆうどうがさのエピソードは、そのメッセージを宇宙規模のスケールで描いた、ドラえもんプラスを代表する一篇のひとつです。

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