いやなお客を帰す方法として取り入れられた『空間ひんまげテープ』。
ドアの空間をねじまげることで、永遠に中に入ることができなくなる恐ろしい効果があります。
お客さんを帰すどころか、その他大勢の人にまで影響を与えかねないひみつ道具です。
社長を追い出せ!
お正月のあいさつをうんざり感じたのび太の会社のパパは、逃げ込む先としてのび太の家を選びました。
正月早々横柄な態度を取る社長に嫌気を指したドラえもんとのび太は、なんとか社長を追い出そうとあれこれ手を尽くします。
『ゴーホーム・オルゴール』『こだまラッカー』に続いて最後の仕上げとしてドラえもんが取り出したのが『空間ひんまげテープ』でした。
このテープをドアノブにくっつけると、ドアを開けた時に外と中の空間がねじまがり、ドアを開けても中に入れなくなってしまうのです。
ドラえもん11巻「いやなお客の帰し方」P30:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
どうやってものび太の家の中に入ることができなくなった社長は、すごすごとのび太の家を後にしたのでした。
メビウスの輪
テープを切り取り、半周ぐるりと曲げて両端をくっつけると、裏表のない不思議なメビウスの輪が出来上がります。
これをドアノブにくっつけるだけで空間がねじまがり、二度と中に入ることができなくなります。
ドラえもん11巻「いやなお客の帰し方」P29:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
裏表がない=ドアの入り口と出口がないということにかけているわけですね。
永遠に中に入れない
空間ひんまげテープを使ったあとは、かならずきちんとテープを取り除いておくようにしましょう。
でないと、外から中に入ろうとする人が永遠に空間のねじれをさまようことになり、誰もドアを利用することができなくなってしまうからです。
ドラえもん11巻「いやなお客の帰し方」P30:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
テープを取り付けた側がしっかり管理しておかないと、多くの人に迷惑をかける結果になってしまうわけです。
空間がねじ曲がっているので、外から何をしても無駄です。
効果は非常に地味かもしれませんが、じわじわと確実に影響を与える恐ろしい道具といえるでしょう。
人を追い返すにはやりすぎか?
結果的に無事(?)社長を家から追い出すことに成功したドラえもんとのび太。
社長はのび太の家に嫌気がさして逃げ帰るように立ち去ったわけですが、人を追い返すだけの目的でちょっとやりすぎた感も否めません。
『ゴーホーム・オルゴール』は自ら帰りたくなる気持ちを湧き起こさせる道具なので、これを使うのはわかります。
『こだまラッカー』も、タイミング悪く誰かがトイレを占領していたと考えればまだ許せる部類です。
『空間ひんまげテープ』に至っては、社長からするとドアを開けても開けても中に入れず、今まで体験したことがない不可思議な状況に追い込まれています。
ドラえもん11巻「いやなお客の帰し方」P30:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
年の頃は50歳前後でしょうか。今までいろいろな経験をしてきているであろう社長も、空間がねじまがる現象はさすがに経験したことがないはずです。
正月が終わり、会社で社長とのび太のパパが顔を合わせる時、社長はいったいどんな反応をするのでしょうか。
「お、お前の家、不気味だな・・・」とでも言われてしまうと、社内でパパの評判が一気に下がってしまう恐れがあります。
なにしろ発言する人が社長ですからね。影響力があることは間違いありません。