何気なく見ていたものは記憶に残りにくいものです。
そのお陰でうっかり忘れものや無くしものをして、どこに置いたか分からなくなってしまう事ってありますよね。
そんな時いつどこでなくしたかをちゃんと思い出すことが出来たら・・・。
今回はそんなひみつ道具『見たままスコープ』の紹介です。
見たままスコープとは?
映写機とヘッドギア、それをつなぐコードからなる道具で、ヘッドギアを頭につけることで脳内の潜在的な記憶を探ります。
時間を設定する事で、その時見た物を映像として映写機で映し出します。
ちなみに映像に音声は入っておらず、まるで無声映画のように映し出されます。
その名称の通り、その時見たそのままを映像にしているため、余計なものまでけっこう映しだされたりします。
本編での使われ方
貯めたお小遣いが入った袋を無くしてしまったのび太。
その袋にはドラえもんのお金も一緒に入っていたのでドラえもんも怒りが収まりません。
ドラえもん8巻「見たままスコープ」P136:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そこで登場するのが『見たままスコープ』です。
のび太の過去の記憶(見たもの)をさぐり、いったいどこでお小遣いを無くしてしまったのかをさぐろうというわけです。
途中でしずかちゃんが家にきて、のび太の汚いシーンが映し出されて大騒ぎなど、最後までドラえもんらしいドタバタ劇の回です。
余計なものまで映ってしまう
見たままスコープはその名の通り、人間の目に入ったものすべてが映り込みます。
テレビのように編集されているものではないので、実にだらだらと余計なものまで情報として入ってしまうんですね。
延々歩いているだけとか犬の喧嘩など無意味なものが多いです。
のび太の場合、しずかちゃんの従姉妹の女の子をチラチラ見ていたのが映像になり、それをたまたま遊びに来ていたしずかちゃんに見られてしまい、デレデレした視線でしずかちゃんを怒らせます。
ドラえもん8巻「見たままスコープ」P142:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
その後さらにのび太の立ちションの様子が映ってしまい、しずかちゃんを完全に怒らせてしまいます。
人の視線は常にいろいろなところを見ているため、のび太のように人に見られて恥ずかしいシーンがたくさん含まれていることでしょう。
マンガの中だからいいものの、これがもし実現してしまうと、色々と大問題に発展しそうな道具ですね。
お小遣いを持っていたのび太
この話の発端となったお小遣い袋ですが、なんと結局ドラえもんが預かっていたことが判明しました。
受け取ったドラえもん、渡したのび太ともにそのことをすっかり忘れてしまっていたのです。
人の記憶が当てにならないことは理解できても、コンピューターであるドラえもんまで忘れてしまうのは驚きです。
未来のロボットは、人間以上に人間らしい機能を備え付けているのですね。
見たままスコープに似た道具
似た効果を持つひみつ道具としては、単行本未収録の『記憶取り出しレンズ』があります。
目に取り付けると脳内の記憶を探り、うろ覚えな事を脳内でハッキリと再生することができます。
ボタンで調節すればその映像を壁に写しだす事も可能です。
しかし、思い出したいものに集中しないと余計なものばかり見えてくるという欠点もあります。
また、コミックス39巻に登場する『メモリーディスク』はCD状の円盤で、人の頭の上で回転する事でその人の記憶を抜き取ります。
抜き取った記憶はその人間の脳内からは消えてしまいますが、再びディスクを頭の上で回転させることで元に戻すことが出来ます。
その際にディスクの一部をペンで塗りつぶすと都合の悪い記憶を消去したり、ウソの記憶を送り込む事も可能になっています。