荷物はこびをするために作られた『荷物はこび用荷物』です。
あわれなポーターに慈悲を
家に届けられた不思議な『どこでもトランク』を通ってブリキン島にやってきたドラえもんとのび太。
ブリキのホテルでは支配人やポーターが待ち構えており、『荷物はこび用荷物』を手渡して仕事を与えます。
大長編のび太とブリキの迷宮P23:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
リゾート地を見つけたと喜んでいた2人ですが、実はこの時からすでに戦いに巻き込まれていようとは夢にも思っていなかったのです。
運ぶためだけの荷物
『荷物はこび用荷物』は、その名の通り荷物はこびをするためだけに作られた荷物のこと。
数々のバッグや風呂敷、大きな包みがセットになり、あたかも旅行の荷物のように見えます。
手持ち無沙汰のポーターに仕事を与えるためだけに登場するひみつ道具です。
使いみちが限定される道具
荷物運びを仕事とする人に作業を渡すだけで、実はまったく必要のない荷物ばかりが集まっています。
使いみちは極端に限定され、限られたシチュエーションで限られた人のみが恩恵を受けるひみつ道具ですね。
もちろんこれ以降で登場する機会はなく、見られるのはこの瞬間だけ。
考えようによっては貴重な道具でもあります。
ドラえもんを構成する要素
ドラえもんに登場するひみつ道具は、決して優秀なものばかりではありません。
箸にも棒にもかからないような、誰かが遊びで作ったんじゃないかと感じるものも多数存在し、今回の『荷物はこび用荷物』もその1つです。
でもこういう寄り道要素があるからこそ、幅広い層から愛されるドラえもんが誕生したのではと感じます。
ツッコミどころをあえて作って親しみやすさを出すテクニックともいえるでしょう。
このひみつ道具はこの巻で読めます