磁石のN極、S極を作りだすひみつ道具、それが『NSワッペン』です。
このワッペンを貼ると磁石と同じ働きをし、引き合う・離しあう作用が発生します。
ジャイアン世紀の大発見!・・・かと思いきや
ある日ジャイアンが磁石のN極とS極の関係を発見し、友だちに自慢していました。
- N極とN極→反発する(くっつかない)
- S極とS極→反発する(くっつかない)
- N極とS極→引き合う(くっつく)
小学校の理科の授業で習いそうな内容ですが、ジャイアンにとっては新鮮なことだったのでしょう。
「磁石の関係は幼稚園のころから知っている、ジャイアンは遅れている」
そう言ってバカにしたのび太。
ジャイアンはメンツをつぶされたとカンカンに怒り狂い、のび太を追いかけまわし、今後のび太の顔を見るたびに殴ってやると強烈なおどしをかけました。
調子にのって相手を挑発するのび太の悪いクセが出ましたね。
でもさすがジャイアン。
相手に制裁を加える様子は、まるでヤクザか暴力団並みです。
NSワッペンの登場
ドラえもんが出したひみつ道具『NSワッペン』は、まさに磁石をワッペンでそのまま再現しています。
磁石の性質を理解しておけば、使い方はとてもかんたん。
同じ極のワッペンをのび太とジャイアンに貼っておけば、ジャイアンは一生のび太に近くづことができません。
とてもいいアイディアに見えますが、実はよーく考えてみると、NSワッペンの凄さがここにあります。
NSワッペンの強力な威力
コミックでは気軽にNSワッペンを使っていますが、実はおどろくほど協力な威力を持っていることが随所に見られます。
のび太のパパとママの場合
NSワッペンの実験として、ドラえもんはまずパパとママにNSワッペンを貼りました。
パパがママに近づけば近づくほど、ママの体は勝手にぴょんぴょんとパパから離れてしまいます。
ドラえもん2巻「NSワッペン」P122:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
成人の大人をはじきとばすだけの強い力が働いていることがわかります。
のび太とジャイアンの場合
NSワッペンの引き離す力に対抗しようと、ジャイアンは自分の体とのび太の体をロープでしばる強硬手段を取りました。
しかしロープさえもNSワッペンは引きちぎってしまったのです。
ドラえもん2巻「NSワッペン」P126:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
実はこれ、コミックでは「プチ」というなんとも情けない音で表現されていますが、冷静に考えるとものすごいことなんです。
例えばジャイアンが持ってきたロープを、どこにでもありそうな麻素材、太さ1cmのロープだと仮定します。
こちらのロープ専門店の一覧表によると、太さ1cmの麻ロープの破断力(ロープが切れるまでの力)はなんと560kgだそうです!
それだけの大きな力がNSワッペンの効果で生み出されているんですね。
張り詰めたロープが切れ、ジャイアンははるか遠くの空に飛ばされ、大けがを負ってしまう結果となったのです。
これはかなり危険ですね。
たった2枚のワッペンですが、これほどまでに大きな力を出すことができるのは驚きです。
NSワッペンの使いみち
これほどまでに強力な力を生み出すNSワッペンであれば、色々な使い道が検討できそうです。
のび太とジャイアンの例から、少なくとも560kg以上の力が出ることが判明しています。
NSワッペンを複数枚いっしょに使えば、例えば車を空に浮かべることだって可能になりそうですね。
NSワッペンの効果がいつまで持続するかハッキリしていませんが、もし磁石のように半永久的に使えるのであれば、画期的なひみつ道具といえそうです。