服用すると、空間認識力に影響を及ぼし、狭い場所でも広く感じてしまう『シネラマン』を紹介します。
シネラマンについて
錠剤型のひみつ道具。
手のひらサイズの円筒状の細長いケースにタブレットタイプの錠剤が10錠ほど入っています。
服用すると空間認識感覚に作用し、1錠でおよそ100メートルほど空間が水平に広がります。
あわせて、自身の運動感覚にも麻痺が見られます。
本人は100メートル走ったつもりでも、実際にはその場で足踏みをしており、運動野の誤認識を引き起こしています。
また、複数錠の服用で感覚をさらに増大することが可能です。
お風呂は僕たちのプール
プール帰りのスネ夫とばったり遭遇したのび太としずかちゃん。
2人はプールに行く予定でしたが、スネ夫から大混雑だったことを聞き、行くのをやめることにしました。
ドラえもん5巻「うちのプールは太平洋」P124:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そんな時にドラえもんが出したひみつ道具がシネラマンです。
服用すると、1錠で約100メートル程度、空間が水平方向に広がります(広がった感覚になります)。
シネラマンさえあれば、たとえ自宅の狭いお風呂でもプールにいるかのような感覚を味わうことができるのです。
しずかちゃんを自宅のお風呂に誘い、プール遊びを楽しむのび太とドラえもん。
調子に乗ったのび太がシネラマンを複数錠つかってしまったから、さぁ大変!
のび太にとっては、水平線の先がかすんで見えないほど空間が広がってしまったのです。
ドラえもん5巻「うちのプールは太平洋」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
歩いていも歩いても岸(お風呂の端っこ)に辿り着くことができず、力つきたのび太は溺れてしまいました。
開放感とリラクゼーション効果
シネラマンはリラクゼーションを目的とした錠剤です。
その効果は圧倒的で、空間が広がって感じることにより、爽快さやリフレッシュにはうってつけのひみつ道具と言えます。
もちろん未来のひみつ道具なので、老若男女問わず、常習性や健康被害のリスクはなく、安心安全はコントロールされており、その効能を存分に楽しむことができるはずです。
使いすぎると命を落とす危険性あり
どんなに素晴らしい効能のあるツールでも、使う側の能力・良識が問われます。
コミックの中ではシネラマンを服用しすぎてしまったのび太が、結局、岸に辿り着く事ができず、お風呂で溺れているところを発見されました。
ドラえもん5巻「うちのプールは太平洋」P130:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
もし発見が遅れてしまったら命に関わる事故につながりますし、薬の効能が切れるまで事態の収束を待たなくてはなりません。
小さい子どもが誤って服用してしまうと、のび太のように取り返しのつかない事態につながる恐れがあります。
服用にあたってはしっかり大人が管理する必要がありますね。
由来は映像技術から?
シネラマンは【シネラマ】から着想しているものと思われます。
今はすたれた映像投影技術で、3台のカメラで撮影した映画を3台の映写機で投影し、視野の広い映像を楽む手法です。
撮影や投影の面倒くささから定着することはありませんでしたが、広い視野を求める欲求は今も昔も廃れることはありません。
雲一つない青空、太平洋の水平線、一面青草が広がる草原など、リラックス効果と空間の広がりとの相関関係を否定する人はいないでしょう。
用法・用量を守って正しく使おう
正しく適切に服用すれば、かなりのリラクゼーション効果が期待できるシネラマン。
誤飲にだけ気をつければ、かなり使い勝手のいいひみつ道具といえそうです。
狭い都内の家で生活する人など、多くの日本人にとって需要がありそうなシネラマンですね。