夢まくら

夢まくらを使って見る夢は現実に起こるのです。大全集6巻のゆめまくらと同じ効果ですが、名称が若干異なるのであえて別の道具として紹介しています。

本物のおばけ騒動?

夢の中でお菓子の家を食べようと楽しみにしていたのびたは、ドラえもんに起こされて夢を中断してしまいます。お詫びに夢まくらを使って夢で見たことを現実に起こそうとするのですが、のびたが夢まくらで見た夢はなんとおばけに追いかけ回される夢だったのです。

夢まくら
必ず実現する夢

藤子F不二雄大全集ドラえもん10巻「夢まくら」P53:小学館

必ず実現するパワーを持つまくらですが、実は映画のロケでおばけ役の人に追いかけられるというオチでした。

夢が現実になります

夢まくらを使って眠り、そこで見る夢は現実に起こる作用があります。おばけを見たり空を飛んだり、話だけ聞くと現実離れしていますが、それと同じことが現実世界でも発生します。

夢で見たことが現実になるという性質は、ゆめまくらと同じです。大全集の異なる巻で登場するため名称が若干違いますが、効果としてはほぼ同一の道具です。どちらを使っても夢の現実化という不思議な体験ができます。

夢は選べません

問題点として、見る夢を選ぶことができません。楽しい夢もあれば怖い夢もあり、のびたのように追われる夢を見た日には恐怖に付きまとわれてしまうことでしょう。

気ままに夢見る機やゆめコントローラーのように夢の内容を自由にコントロールできるひみつ道具と組み合わせ使うといいかもしれませんね。

夢の内容をあらかじめ整えてから夢まくらで寝ることができれば、望む現実を引き寄せる強力な組み合わせになります。気ままに夢見る機でSFや冒険などお気に入りのカセットを選び、ゆめコントローラーで夢の展開を調整しながら夢まくらで現実化する。これが理想的な使い方といえそうです。

予知夢アメ

これと似たひみつ道具に予知夢アメが挙げられますね。

宇宙人が地球に襲いかかってくる夢を見たのびたですが、実は未知のウイルスが地球に来襲する夢を見て、それが現実に起こった話がありました。夢まくらもほぼ同じ効果を得られるため、使いやすい方を選ぶといいですね。

使うか使わないか、あなた次第

夢の出来事から逃れられない恐怖はありますが、からなずそれが実現するという期待に変わることもあります。両者を天秤にかけ、使うか使わないかはあなた次第です。

夢の現実化という観点では、うつつまくらも似た方向性の道具ですが、あちらは夢と現実が完全に入れ替わるためより根本的な変換が起きます。夢まくらは夢の出来事が現実に起こるという形なので、現実そのものは変わらずに夢の内容が重なってくるイメージです。どちらが安全かといえば、オチが付く可能性がある夢まくらの方がまだ穏やかかもしれません。

また、夢を安全に楽しむという観点ではグッスリまくらのように深い眠りを確保してから夢まくらを使うという順番も考えられます。浅い眠りでは夢自体が不安定になりやすいため、しっかり眠れる環境を整えた上で夢まくらの効果を引き出すのが賢い使い方でしょう。

現実化する夢の怖さ

夢まくらの怖いところは、夢の内容を選べないまま現実化してしまう点です。人は楽しい夢だけを見るわけではありません。追いかけられる夢、落ちる夢、遅刻する夢、何かをなくす夢など、目覚めた後にほっとするような夢もたくさんあります。それが現実に起こるとなると、眠ること自体がかなり危険な賭けになります。

のびたが見たおばけの夢も、現実では映画のロケというオチがつきました。つまり、夢まくらは夢の印象をそのまま現実にするのではなく、現実の中でそれらしく成立する形へ変換しているようにも見えます。本物のおばけではなく、おばけ役の人が現れる。この「夢っぽい出来事を現実的な形で起こす」あたりが、道具として実に不思議です。

もし夢の内容が完全にそのまま現実化するなら、空を飛ぶ夢や宇宙に行く夢も大変なことになります。しかし作中の雰囲気を見る限り、現実世界の範囲でつじつまが合うように起きる可能性があります。夢と現実の翻訳装置のような働きをしているのかもしれません。

願望実現道具として使えるか

夢まくらをうまく使えば、願いを叶える道具として使えるようにも思えます。お金を拾う夢、欲しいものが手に入る夢、好きな人と会う夢。そうした夢を見られれば、現実にも近い出来事が起きるかもしれません。

しかし問題は、夢を狙って見るのが難しいことです。寝る前に強く考えていても、夢は勝手に別の方向へ進みます。むしろ気にしている不安ほど夢に出やすいこともあります。夢まくらは願望実現装置に見えて、実際には自分の内面を制御できるかどうかが問われる道具です。

だからこそ、気ままに夢見る機やゆめコントローラーとの組み合わせが重要になります。夢を選べる道具と現実化する道具を合わせれば、とんでもない力になります。一方で、そこまで自由に現実を動かせるなら、使う前にかなり慎重なルールが必要です。

夢と現実の距離感

夢まくらは、夢がただの空想では終わらない世界を見せてくれます。けれど、夢が現実になれば幸せになるとは限りません。夢には自分でも気づいていない不安や、意味のわからない展開も混ざります。それを全部現実へ持ち込むのは、かなり危なっかしいことです。

だからこの道具は、夢の魅力と怖さを同時に持っています。楽しい夢が現実になれば最高ですが、怖い夢も同じようにやってくる。使うか使わないか、あなた次第という結論は軽く見えて、実はかなり本質を突いています。

また、この夢まくらは「現実化する夢」が必ずしも見たままではない点も重要です。おばけの夢が映画のロケとして現れるように、現実側には現実側の理屈があります。夢の不思議さをそのまま持ち込むのではなく、現実で起こりうる形へ変換される。だから怖い夢でも、実際には少し拍子抜けするオチがつくことがあります。

しかし、そのオチが必ず安全とは限りません。追いかけられる夢なら本当に走り回ることになるかもしれませんし、落ちる夢なら階段や坂道で危ない目に遭うかもしれません。夢の象徴が現実の出来事へ置き換わるなら、何が起きるか予測するのはとても難しいです。

夢まくらは、夢を叶える道具でありながら、夢を軽く扱う危険も教えてくれます。眠っている間の気まぐれなイメージが現実になるというのは、ロマンチックであると同時にかなり怖い。だからこそ、この道具は短い話でも強い印象を残します。

特にのびたのように想像力が豊かな子どもが使うと、夢の振れ幅も大きくなりそうです。お菓子の家のような楽しい夢もあれば、おばけに追いかけられるような怖い夢もある。そのどちらも現実に来るかもしれないとなると、寝る前の気分づくりがかなり大切になります。

夢まくらは、夢を願望の場所としてだけでなく、不安が出てくる場所としても描いています。だから単純な便利道具ではなく、使う人の心の状態まで映してしまう道具なのです。

夢を現実にしたいなら、まず良い夢を見られる自分でいなければなりません。そこがこの道具の難しいところです。望みを叶える力があっても、夢そのものが不安定なら結果も不安定になります。

のびたが楽しい夢を見ようとして怖い展開に巻き込まれるのは、夢まくらの性質をよく表しています。夢は自由ですが、自由すぎて自分でも制御できないのです。

おすすめの記事