ドラえもんがのび太の学校を吹き飛ばそうとして出したひみつ道具が『せん風機』です。
見た目は現代の小型扇風機そっくりですが、パワーが全く違いますね。
それにしても、ドラえもんの暴力的なやり方はちょっと行き過ぎじゃないでしょうか。
学校を吹き飛ばす目的とは
ドラえもんが何の考えもなしに、いきなり学校を吹き飛ばすわけがありません。
これにはちゃんと理由があり、のび太が学校のテストを受けたくがないため、学校を吹き飛ばせばテストもないという、なんとも安直なことがきっかけだったんです。
ドラえもんはもともと、のび太を真人間にするために未来からやってきたはず。
にも関わらず、のび太以上に突飛押しもないこともやっていたのでは、ドラえもんがいる意味がありませんよね。
のび太も青ざめる
これにはさすがののび太もびっくりしてしまい、顔を真っ青にしてドラえもんを止めようとします。
ドラえもん2巻「テストにアンキパン」P7:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太を教育する立場のドラえもんが、逆に諭される珍しいシーンです。
せん風機の威力を考える
ドラえもんが出した『せん風機』は、見た目はただの卓上扇風機にも見えます。
しかし学校を吹き飛ばすほどの力があるので、いわゆる羽で風を送るだけの普通の扇風機とは違うことがわかります。
例えば、2003年に沖縄に猛烈な台風14号が上陸しましたが、この時は、
- 学校の体育館の屋根がほぼ全て吹き飛ばされた
- ガソリンスタンドの屋根が壊れた
という記録が残っています。
瞬間風速は90m/秒あったともいわれる風速でしたが、屋根が吹き飛んだだけです。
もし学校そのものを吹き飛ばすなら、瞬間風速でこの2倍あればほぼ確実でしょう。
こうなると、吹き飛ばすというより、建物を破壊し、ガレキを吹き飛ばすというのが正しいかもしれません。
ドラえもんが何気なくポケットから出したせん風機は、超巨大台風をも凌ぐ災害を引き起こす可能性のある、恐ろしいひみつ道具だったことがわかります。
子どもがイタズラに使うレベルではない
大災害を引き起こしかねない危険なひみつ道具『せん風機』。
二十二世紀ではこんな怖いものが流通しているんでしょうか。
もしかすると未来の世界では、せん風機を使うためにはライセンスが必要で、持ち手の部分に特殊センサーが内蔵され、使用者を識別して使用可否を判断している可能性もあります。
ライセンス制であればある程度安心できるものの、学校を吹き飛ばそうとしたドラえもんの行為は、それに違反する可能性もありますよね。
バショー扇よりも強力かも
ドラえもんのひみつ道具に『バショー扇(コミック38巻)』があります。
風の強さや香りを調整し、扇で仰ぐと自由に風を引き起こす便利な道具です。
コミックの最後では、バショー扇を持ったドラえもんが家の中で転び、その弾みで発生した台風が家の中で暴れまわる様子が描かれています。
ドラえもん38巻「バショー扇の使いみち」P119:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太の家は借家で、建築からかなりの年数が経っているにも関わらず、家の中で発生した台風によって家が破壊されている様子はありません。
風速にすると40m/秒ぐらいでしょうか。
せん風機はバショー扇のように風の種類を調整する機能はなさそうに見えます。
細かい調整ができない代わり、パワーだけで見れば、学校を吹き飛ばすせん風機の方が上ということがわかりますね。
せん風機の正しい使いみちを考える
せん風機が現代に開発されれば、色々と便利に使えそうです。
- 被災地などのガレキ撤去作業
- 風力発電
- 災害対策の実験
- ロケット開発
圧倒的な風力を活かし、クリーンエネルギー事業に役立ちそうです。
タービンが壊れない程度に最大効率で回して発電できそうですね。
ロケット事業も面白そうな分野です。
せん風機を取り付けたロケットであれば、燃料がなくても空を飛べますね。
風の方向を正しく制御すれば打ち上げの事故も減り、エンジンスペースが削減され、ロケット小型化も可能になりそうです。
正しく使えば便利そうなせん風機。
果たして実現するでしょうか。