台風の卵

大自然の驚異、台風でさえ卵からかえしてしまう未来の技術。

そんなひみつ道具『台風の卵』を紹介します。

ペットを飼いたくなったのび太

しずかちゃんによくなついた文鳥を見て、自分もペットを飼いたくなったのび太。

ドラえもんが出してくれた謎の卵から、なんと台風が生まれたのです。

気象実験のために未来で作られたようですが、のび太は自分で育てることにします。

感動する台風のフー子

のび太と仲良くなったフー子ですが、ペットとはいえ、本体は台風(低気圧)です。

家の中はめちゃくちゃになり、ほとほと手を焼いていたのび太とドラえもん。

そんな時、日本に超大型台風が接近しているニュースが飛び込んできました。

フー子はのび太を守るため、自らが大型台風に突っ込むことで、自然の驚異を追いやったのでした。

フー子は残念ながら台風と相打ちになって消滅。

皆が安堵する中、一人だけ空を見つめてフー子の事を思うのび太。

台風のフー子が消えた寂しさ
のび太のやさしさがあふれるシーン

ドラえもん6巻「台風のフー子」P148:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

「小さな風が舞っているとつい思い出してしまうんだ。フー子の事を。」

学びが多いフー子の話

卵からうまれた台風というぶっ飛んだ設定で、見た目も異形といっていいフー子が、のび太の無償の愛情を受け、懐いていく様子は一見シュールともとれます。

「(台風の)エサは暖かい空気」など、ちょっぴりタメになる知識や、ペットを飼う事で負わないといけない責任などもきちんと描かれています。

素手で触れても大丈夫な台風

低気圧が発達した台風を、のび太は驚くべきことに素手で触れています。

台風のフー子を素手で触るのび太
生き物に対するのび太の愛情は深い

ドラえもん6巻「台風のフー子」P143:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

フー子が生まれたばかりで勢力が小さかったのでしょう、のび太は怪我することなく、何事もなかったかのようにしています。

現実の世界で考えたら、こんなこと起こるはずありませんよね。

その矛盾を考えてしまうとドラえもんの楽しさがなくなってしまうので、敢えて触れないようにしておきましょう。

どこまで成長するか不明

研究用として開発された台風の卵。

もちろん人間のコントロール下におけることを前提として作られているはずなので、成長するスピードや勢力を自由に調整できるはずです。

台風は暖かい海水が蒸発して発生する水蒸気をエネルギー源として成長します。

人工的に水蒸気を作り出す環境があれば、フー子は延々と成長を続ける可能性があります。

突如としてのび太の家から発生する空前絶後の巨大台風になる恐れすらあるのです。

大長編でリメイク

このストーリーは後に劇場版としてリメイクされ、「のび太と不思議の風使い」となりました。

この作品のフー子は周囲を風で飛ばさないようにと、ドラゴン(のび太が呼んでいた漫画の主人公ドラコッコ)のぬいぐるみに入っているという設定です。

個人的には、異形の存在であっても愛されるのがフー子の魅力だったので、可愛いぬいぐるみキャラになったのはその魅力が減ったような感じました。

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