バカには見えない最強のヨロイ『ウルトラスペシャルマイティストロングスーパーよろい』です。
要するに裸の王様の話と同じで、全く効力のないウソのヨロイなのですが、それを信じてしまったのび太のおもしろストーリーが展開されます。
裸の王様のび太様
いつもいじめられてばかりいるジャイアンと対応に戦いたいというのび太の言葉を聞き、ドラえもんは『ウルトラスペシャルマイティストロングスーパーよろい』を出します。
ドラえもん16巻「ウルトラよろい」P113:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
もちろんこれはドラえもんの冗談で、童話『裸の王様』をモチーフにして見栄っ張りの王様とのび太が同じであることをいいたかったのです。
人を信じ込みやすいのび太は最強のヨロイを手に入れたと意気揚々と家を飛び出します。
途中、いろいろな偶然がのび太の誤認識を手助けすることになります。
ドラえもん16巻「ウルトラよろい」P114:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
いよいよジャイアンと対決!となった時、のび太のあまりの自信に恐怖したジャイアンは降参。
強さのひみつを聞き出すと、馬鹿には見ることができない『ウルトラスペシャルマイティストロングスーパーよろい』だったため、ジャイアンもそのヨロイを着てのび太に殴られ続けるのでした。
ドラえもん16巻「ウルトラよろい」P118:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太の意地
日頃から馬鹿だ馬鹿だと言われ続けるのび太ですが、ヨロイが見えないほど馬鹿じゃないと意地を張り、今回の結末を迎えます。
小学生ながらも立派な一人の人間ですので、意地や見栄があって当然のこと。
しかし、さすがにこの時ばかりは素直に『見えない』と早々に告白しておいたほうが、自分のためにもなっていたでしょうね。ジャイアンもそのいい例です。
人を信じる天才のび太
のび太は他人を疑う心のない純粋な少年です。
いじめられたりすれば憎しみこそ持ちますが、最後は必ず相手を許します。
いわば性善説(人は良い行いをするものと信じること)の下で生活しているようなもので、生粋の善人の代表といっても過言ではないでしょう。
相手のことを信じる強い信念がのび太を作り上げているといっても過言ではありません。