見た目は三輪車、機能は豪華。
ジェット機並みの速度まで出せるひみつ道具『四次元三輪車』の紹介です。
四次元三輪車とは
四次元三輪車とは、一言でいえば多機能三輪車のこと。
三輪車なので前輪に接続されたペダルを踏んで進みます。
ウォッシュレット便座のような形状の後部座席に乗れる二人乗りの乗り物です。
目覚まし時計、温度計、カレンダー、鉛筆けずりを標準装備しており、第1から第5までのボタンに便利機能が割り当てられています。
仲間外れにされるのび太
ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんがサイクリングに出かけることを知ったのび太。
でものび太はは自転車に乗る事ができず、誘ってもらえません。
何とか一緒に行きたいのですが、買ったきり倉庫にしまっている自転車に乗ることはできません。
そこでドラえもんにお願いして出してもらったひみつ道具が『四次元三輪車』です。
みんなの行き先がわかりませんが、四次元三輪車の第1ボタンを押すと「においセンサー」が起動し、みんなの匂いを追跡しはじめるのです。
ドラえもん5巻「四次元サイクリング」P90:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
初めて登場した四次元三輪車なのに、ジャイアンたちの匂いをすでにインプットされているのはすごいですね。
見た目は三輪車、機能はジェット機
小学生ののび太が三輪車に乗っている様子を見た小さな子どもが笑っています。
そんな時は第3ボタンを押しましょう。
四次元の世界に入り込んだ三輪車は姿を消すことができるのです。
ドラえもん5巻「四次元サイクリング」P91:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
変速レバーを切り替え、ひとこぎ100メートルの速度で走行中の自動車なども突き抜けながらの追跡です。
レバーをトップギアに入れると、もうジェット機並みの速度を実現しています(ドラえもんコメントより)。
次元が違うのです。
たまに故障もするけれど
皆に追いついたのび太、とつぜん姿を現して驚かせてやろうと、三次元に戻る第5ボタンを押しますが、元に戻ることができません。
どうやら機械の故障のようです。
修理しても直らず、あきらめていたところ急に三次元の世界に戻った2人。
結局、姿を見せることができたのはサイクリングが終わったあとで、ただ三輪車に乗っている恥ずかしい姿というオチが待っていました。
ドラえもん5巻「四次元サイクリング」P94:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
軍事技術への転用もあり?
多機能三輪車であり、確かに未来の技術を集積した卓越した三輪車です。
空間を三次元から四次元に移すことで、姿をさらすことなくひとこぎ100メ-トルからジェット機並みの速度まで走行が行えます。
性能だけを比較すると軍事技術にも転用できる可能性がありますね。
人力でこれだけの速度を出せる機械があれば、世の中の技術も大いに変わっていることでしょう。
ボタンの機能
四次元三輪車に搭載されているボタンの機能を紹介します。
- 第1ボタン:においセンサー
- 第2ボタン:紹介なし
- 第3ボタン:次元転移装置(三次元から四次元+ステルス機能)
- 第4ボタン:紹介なし
- 第5ボタン:元次元帰還装置(四次元から三次元)
第2、第5ボタンは読者の想像に委ねようという作者のいたずら心なのかもしれません。
三輪車の理由
これだけの卓越した技術を集めた高性能の移動ツールを、あえて三輪車にする意図はどこにあるのでしょうか。
三輪は確かに一番安定するフォルムであり、技術水準がまだまだ低かった初期の自動車は三輪オートなどと呼ばれるタイヤが3つの自動車が主流でした。
そこで少し考えてみました。
- 次元転移でステルス化することにより他者から見られることがないため、見た目は気にせず、一番安定する形にした
- 一輪だとバランス力が求められ、二輪だとそもそものび太の様な自転車に乗れない人がいるため、乗り手が限定されてしまう
- 4輪の場合、自動車との差別化をどうするのか、そもそも動力を積んでしまえば自動車となってしまう
といったところでしょうか。
未来が楽しみな三輪車
三輪車でもこのとおり多機能としてしまう未来の技術は素晴らしいのですが、次元転移装置と鉛筆けずり機能や温度計機能が技術的に共存する様を垣間見た私たちは、どんな未来が待っているのか、ワクワクしてしまいます。