自動的に動いてくれる『自動かなづち』『自動のこぎり』というひみつ道具の紹介です。
コミックでは一度だけ登場するひみつ道具です。
ノアの箱舟をつくる
全てはのび太が『イマニ目玉』で見た12時間後の大洪水の未来から始まります。
世界が滅亡するほどの大洪水が来ることを知ったのび太は、お告げにしたがい、大きな木造の船の建造を始めます。
イマニ目玉は、近い未来(数時間〜数日間)の出来事を予想する道具で、そこに映し出される出来事は全て実現するものばかり。
のび太は12時間の世界が大洪水でメチャクチャになってしまう様子を見てしまったのです。
自動かなづちとのこぎりの登場
急いで船を建造しなくてはいけない!でも人手が足りない!
そんな時にドラえもんが取り出したひみつ道具が『自動かなづち』と『自動のこぎり』だったのです。
ドラえもん4巻「世界沈没」P103:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
急ピッチで木造船を建造するためには欠かせない道具であることは間違いありません。
ドラえもんなんて、汗をかくわけがないのに、ハチマキまで締めて作業している様子を見ると、その本気度が伝わってきますね。
材料をかざせば自動的に切断したり、釘を打ってくれるのだろうと予想できます。
声認証などがあるのでは?
ドラえもんが持っている未来の道具なので、今の世界では見られない驚く機能が付いているはずです。
見た目はとてもシンプルなひみつ道具なので、おそらく使用者の声に反応して自動的に位置を変えたり、自動で材料を判断して切るスピードや叩く強さを調整するものと思われます。
今の世界でも、ある程度の単純な作業はロボットがやってしまうことが多いので、ドラえもんの世界ではそれ以上に進んだ革新的なことができるようになっているはずです。
安全装置があるかどうか心配
さぞかし高性能はのこぎりとかなづちなんでしょうが、安全装置が備わっているか心配ですね。
特に自動のこぎりは刃がむき出しになっているため、近くに人がいたら危険極まりないといえるでしょう。
切った木材や鉄板のクズが周囲に散乱するでしょうし、使用者自身で防護服や手袋、保護メガネを用意しておくことは必須といえそうです。
使用中に振動などでのこぎりが倒れようものなら、作業現場はあっという間に大惨事になりかねません。
もしくは、危険な状況すら勝手に判断し、自動的に回転がストップするような仕組みになっているのかもしれませんね。
自動かなづちの汎用性(はんようせい)の低さ
さて、自動かなづちですが、未来の道具にしては汎用性が低いと思いませんか?
使える用途はかなづちを振り下ろすだけ。
工事現場で使うとしても、釘を手で打ち込む時でしか活躍できないのです。
現代の工事現場では「自動釘打機」と呼ばれる、トリガーを引いて釘を勢いよく打ち込む機械が主に使われています。
これ、買うと5万円〜10万円もして、実はけっこう効果な機械なんです。
今でさえこんなに便利な機械があるのに、今さら自動かなづちなんて使うことがあるのでしょうか?
コミックには描写されていないだけで、実は隠された機能が付いているのかもしれません。
いずれにしても、このあたりは想像の域を脱しませんね。
これもドラえもんのおもしろさ
と、色々とツッコミどころがありましたが、こういう抜けたところもドラえもんのおもしろさと言えるでしょう。
足りない箇所を敢えて作ることで、読者の想像を掻き立てるよう仕組まれた藤子先生の策略なのかもしれませんね。