のび太が無人島に持っていったひみつ道具のうちの1つに『勉強の道具』があります。
1人でも学習できるようにコンピューターが自動的に問題を出題します。
島で勉強は・・・しない
親とケンカをして家を飛び出したのび太。
ドラえもんのひみつ道具をいくつかかすめとり、目指すは無人島です。
さっそくひみつ道具を広げてみますが、役に立たないものばかり持ってきてしまったようで、すぐさま後悔するのび太。
そんなひみつ道具の中でも特にのび太が使わないであろうものが『勉強の道具』です。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P83:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
モニター画面に問題が表示され、それに答えていくシンプルな構造ですが、無人島に来てまでのび太が勉強などするはずもありません。
すぐさまこの道具は捨てられてしまい、その後コミックに登場することはありませんでした。
お説教もある
勉強中によそ見などをしていると、モニターから腕が生え、きつくしかってくれる機能もあります。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P83:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
なかなかスパルタですが、これ
も勉強する人のことを思って付けられた機能なのでしょう。
対応できる教材は不明
コミックでは簡単な算数の問題が表示されていますが、どんな教材が含まれているか正確な情報は不明です。
未来の道具なのでまさか算数にだけ対応していることは考えづらく、大人も対象にした総合的な学習が可能ではないかと思われます。
のび太も使っていた?
これは完全な推測ですが、のび太が10年間という長い時間を無人島で1人で過ごす間、のび太はこの『勉強の道具』をこっそり使っていたかもしれません。
誰とも会話することなく、外界からの情報も完全にシャットアウトされた島でのび太が冷静を保っていられたのは、学習の効果があったからでは?と思うのです。
例えばこちらのコマ。
ドラえもん14巻「無人島へ家出」P89:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太は自分自身のこと、そしてドラえもんの連載のことを冷静に分析しています。
ここまで常識的な判断をするには、過酷な無人島生活において自我を保つ必要があり、それを助けるのは学習だと思うのです。
おそらく『勉強の道具』には様々な教養を学ぶ教材が含まれていて、のび太は暇な時間を使って学習を続けていたのではないでしょうか。
いつかドラえもんが助けに来てくれるという希望と、学習から得られた新しい知識、将来への望みなど、自分は生き延びるという前向きな気持ちがのび太を10年間も生かし続けたのでしょう。