周りの人の能力を誰かに合わせてしまう『ビョードーばくだん』。
基準になる人次第で世の中の動きが大きく変わってしまうほどの影響があります。
みんな一緒なら怖くない
世の中が不平等なことに腹を立てているのび太に、ドラえもんはしぶしぶ『ビョードーばくだん』を出します。
周囲一体の人をのび太と同じ能力にするのは危険だと予感していたドラえもんですが、流れでそうする羽目になります。
ドラえもん26巻「ビョードーばくだん」P66:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
『ビョードーばくだん』の影響でみんな宿題を忘れ、先生は問題が解けなくなり、ママは買い物から帰らず、国会はみんな居眠りする始末。
元の世界に戻す方法を探ろうにも、肝心のドラえもんものび太の能力になっているので頼りにならず、この後続く絶望の世界を予感させるエンディングを迎えるのでした。
基準が重要
『ビョードーばくだん』を使う時は誰を基準にするかよく考える必要があります。
ドラえもん26巻「ビョードーばくだん」P68:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
みんながその人と同じ思考回路を持ち、同じ行動をとるようになるため、基準が高ければ生産性の高い集団が生まれ、低ければのび太のような結果になります。
広範囲に影響が及びます
ロケットで打ち上げる『ビョードーばくだん』は少なくとも約20km四方に広がります。
のび太の家(練馬区)で拡散したばくだんは国会にまで影響を及ぼしていることから、拡散範囲が予想できます。
風に乗るとさらに効果は広がる可能性があり、決して面白半分で使えるひみつ道具ではないことがわかります。
のび太の悪い面にフォーカスされすぎている
たしかにのび太はグズでノロマかもしれませんが、『ビョードーばくだん』はのび太のそういう悪い面にしか向けられていません。
ドラえもん26巻「ビョードーばくだん」P71:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太が持つ優しい心、射撃の腕前、豊かな想像力も平等に伝わっているはずで、それらの面がフォーカスされればもっと違う結末を迎えていたはずです。
争いを好まないのび太が基準になれば、世の中から戦争や争い事が無くなるというメリットも考えられ、一長一短ありますね。