動物の逃走本能を人間が使えたら・・・。
『動物がたにげだしじょう』は4種類の動物の逃げの性質を忠実に再現することができるひみつ道具です。
これさえあれば、どんな敵に襲われたとしても大丈夫です。
動物の特性
『動物がたにげだしじょう』を飲むと、次の4種類の動物の力が身に付きます。
- カメレオン→体の色を同化させる
- カメ→手足を引っ込める
- トカゲ→尻尾を切る
- スカンク→臭いガスを放出する
ドラえもん10巻「動物がたにげだしじょう」P123:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
1つの錠剤につき1種類の力を使うことができ、1度つかうと効力はなくなります。
ピンチに陥ると自動的に動物の力が発揮されえ、その場をしのぐことができます。
スネ夫の性格の悪さ
もともとはジャイアンから逃げるのび太のため、ドラえもんが出してくれた『動物がたにげだしじょう』だったのですが、それを見たスネ夫が4つ全て使ってしまいました。
ドラえもん10巻「動物がたにげだしじょう」P124:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
こういう時に人間の性格があらわれるんですよね。
自分さえよければそれでいいというスネ夫の性根の腐った考え方が表現されています。
もっとも、スネ夫がこういう行動を取る時は、ほとんど決まって自分に跳ね返ってくることが多いです。
やはり今回も最後にはスネ夫に天罰が下るのです。
スネ夫の手のひら返しがすごい
いつもジャイアンの後ろにくっついてヘコヘコしているスネ夫ですが、道具の力を身につけた途端にコロッと態度を変えます。
ニヤニヤしながらジャイアンに近づき、「何をわらってるんだ」といらつくジャイアンに対し、「もともとおかしいんだよ、きみの顔は。」と強烈な一言を浴びせます。
ドラえもん10巻「動物がたにげだしじょう」P125:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これがスネ夫の本音です。
子分のようにジャイアンと一緒に行動をともにするスネ夫は、心の奥底では心底ジャイアンをバカにしているということがこの一コマからよくわかります。
当然ジャイアンは激怒してスネ夫に襲いかかるわけですが、動物がたにげだしじょうの効き目のおかげでスネ夫は無傷。
道具の効果が続いている間はいいんでしょうけど、スネ夫は今後どうやってジャイアンと付き合っていく予定だったのでしょうか?
自分のガスで瀕死
カメレオンの力で背景に同化し、カメの力でジャイアンの暴力から身を守ったスネ夫。
動物がたにげだしじょうを4つ全て使われてしまって腹を立てたのび太から逃げるため、トカゲとスカンクの力が発動します。
土管に逃げ込むまではよかったのですが、運が悪い事にそこでスカンクの力が出てしまい、自分のガス臭に耐えきれなくなったスネ夫が白旗を挙げるというオチです。
自分だけよければそれでいいというスネ夫の行動は、ドラえもんにおいてはほとんど裏目に出てしまいます。
これも藤子先生から子どもたちに対するメッセージなのかもしれません。
いつ発動するかわからない
この道具を使えばある程度の危機から身を守ることができますが、問題はその力がいつ発動するかわからないということです。
スネ夫のように、土管の中で急にスカンクの能力が出てしまうと大変ですし、別に今は動物の力を使わなくても大丈夫という時でさえ、自動的に発動することも考えられます。
タイミングよく使えばこれ以上ない最高の防御手段として使えそうな動物がたにげだしじょうですが、自らの意思でコントロールできないのが玉に瑕です。