映像に登場する人物の顔や声をそっくり別人に入れ替えることができるひみつ道具『配役いれかえビデオ』の紹介です。
のび太よりもダメなやつ?
のび太のクラスに転校してきた多目(ため)くん。
運動も勉強ものび太よりもできないという珍しいキャラクターです。
のび太は仲間ができたと感じ、親切心から多目くんに勉強を教えたりかけっこをして遊びます。
ドラえもん23巻「ぼくよりダメなやつがきた」P104:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
その様子を録画していたドラえもんは『配役いれかえビデオ』を使い、のび太と多目くんをスネ夫とのび太の配役に変更します。
自分が多目くんに対して行ってきたことがどこかしら相手を見下す行為をしていたことに恥じたのび太は、体を張って多目くんを助けるのでした。
ドラえもん23巻「ぼくよりダメなやつがきた」P110:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
簡単にシミュレーション可能
『配役いれかえビデオ』を使えば、例えば自分が映画の主演として登場したりドラマの主人公になってみるなど、簡単にシミュレーションすることができます。
「こんなキレイな服を着ている自分はどんな姿になるのだろうか?」という淡い期待を簡単に実現することができるのですね。
自分がされて嫌なことを人にする
多目くんを自分の下に見ていたのび太ですが、『配役いれかえビデオ』のおかげで自分の行為を客観的に見ることができ、愚かな行動を後悔します。
のび太自身もいつもジャイアンやスネ夫からされて嫌だと感じているはずなのに、弱い立場の人間につい同じことをしてしまう。
ドラえもん23巻「ぼくよりダメなやつがきた」P109:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
人間の悪いところがのび太にもあったというわけです。
でものび太が本当にすごいのはここから。
体を張って多目くんを助け、その後で転校が決まった多目くんから感謝されるのです。
普段は頼りなく感じるのび太ですが、やる時はやる男らしい一面も持っているのですね。