箱庭フレーム

地図の上に置くだけで、その場所の風景がミニチュアの箱庭として目の前に現れる——それが『箱庭フレーム』の持つ能力です。実際の場所が極小に縮小されて箱庭の形で出現するため、中で遊ぶには体を小さくする必要があります。行きたい場所を手元で再現できるという夢のような道具であり、旅行に行かなくても世界中の場所を体験できる可能性を秘めています。

近所の箱庭で遊ぼう

しずちゃんとプールに行こうとしていたのび太ですが、泣き虫べそ子が一緒に遊んでほしいとせがみます。小さな子どもを置いてはいけないのび太は、なんとかみんなで楽しめる方法を考えます。そういう場面でさりげなく思いやりを見せるのが、のび太という主人公の魅力のひとつです。

そこで『箱庭フレーム』で近所の公園を出現させ、ガリバートンネルで小さくなって遊ぶことができたのです。二つのひみつ道具を組み合わせることで、家にいながら近所の公園で遊べるという贅沢な体験を実現しています。

箱庭フレーム
かなり精巧な作りである

ドラえもんカラー2巻「箱庭フレーム」P37:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

しずちゃんとは近所のプールや浜辺で遊び、楽しい時間を過ごすことができたのでした。箱庭フレームで出現した場所は本物の縮小版なので、実際の砂や水が存在しています。小さくなって遊ぶことで、普段は遠すぎて行けない場所でも家にいながら体験できるわけです。ミニチュアの砂浜で遊ぶという感覚は、なんとも不思議でワクワクするものがあります。

地図の場所を出現させます

任意の地図を用意し、箱庭に出現させたい場所を鉛筆で四角で囲み、地図の上から『箱庭フレーム』を置けばその場所の箱庭が出現します。操作として必要なのは地図と鉛筆とフレームだけというシンプルさで、ひみつ道具の中でも特に準備のハードルが低い道具のひとつといえます。

箱庭フレーム
地図さえあればなんでもできる

ドラえもんカラー2巻「箱庭フレーム」P39:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

精巧に作られたミニチュアのような形ですが、実際の場所が極小に縮小されて目の前に広がっているのです。砂浜なら本物の砂があり、プールなら本物の水があります。見た目の美しさだけでなく、実際にその場所に行ったのと同等の体験ができるのが他のミニチュア系道具にはない特徴です。

地図の種類によって出現する箱庭の精度も変わってきそうです。詳細な地図を使えばより精緻な箱庭が出現し、大雑把な地図では概略的な箱庭になるのかもしれません。また現在の地図と昔の地図では異なる時代の風景が出現するのかどうかも気になるところです。もし過去の地図を使えば、昔の街並みや失われた場所を再現できるという可能性もあります。

体を小さくする必要あり

見て楽しむだけならいいのですが、箱庭で遊びたい場合はガリバートンネルスモールライトで体を小さくしなくてはいけません。

発想を変え、いっそ『箱庭フレーム』をビッグライトで巨大化させてしまうこともできるでしょう。フレーム自体を大きくすれば体を縮小せずに中に入れるサイズになるかもしれません。これらを手間と感じるかどうかはあなた次第です。ただし巨大化した箱庭フレームを部屋の中に置くとなると、収納スペースの問題も出てきそうですが。

複数の道具を組み合わせて使う発想は、ドラえもんのひみつ道具活用の醍醐味のひとつです。単体では制約のある道具でも、別の道具と組み合わせることで可能性が一気に広がります。ガリバートンネルとビッグライトという正反対の機能を持つ道具を必要に応じて使い分けながら、箱庭フレームを活用するというのは、道具の使い方として非常に応用的で面白いアプローチです。

空間入れかえ機よりお手軽

チョークで囲んだ場所をそっくり場所ごと入れ替えるひみつ道具に空間入れかえ機(コミック19巻)があります。

関連ひみつ道具

これはどうしてもチョークで場所を囲む手間が必要だったのですが、『箱庭フレーム』は地図を用意するだけでいいのですからグッとお手軽なのではないでしょうか。特に遠方の場所を呼び出したい場合、現地に行ってチョークで囲む必要がある空間入れかえ機よりも、手元の地図一枚で対応できる箱庭フレームの方が圧倒的に使いやすいといえます。また空間入れかえ機は場所ごと丸ごと移動させてしまうため、元の場所に影響が出る可能性がありますが、箱庭フレームは縮小版を出現させるだけなので元の場所はそのままという点も利点です。

人気遊園地などで使いたい

普段は大人気で長時間待たされる遊園地などを『箱庭フレーム』に出現させるとお得ですね。

待ち時間ゼロで遊べるだけでなく、写真だって撮り放題です。人混みの中で揉まれることなく、自分のペースで全ての乗り物を楽しめる。そういった体験は箱庭フレームと体を縮小する道具の組み合わせでしか実現できません。GWや夏休みの混雑期でも関係なく快適に楽しめるというのは、現代の混雑した観光地事情を考えると特に魅力的です。

行きたいけれど時間がもったいないから行けなかった!そういう場所を選ぶと幸せになれそうです。海外の有名な観光地や、現在は閉鎖されてしまった思い出の場所なども、地図さえあれば出現させることができるかもしれません。もうすでに取り壊された昭和の遊園地や、震災で失われた町並みを体験できるとしたら、この道具は単なる遊び道具を超えた意味を持ちはじめます。

地図と連動する道具の魅力

似た発想の道具として、かべ紙ハウスのように好きな風景を壁に貼り付けてその世界に入り込む道具もあります。あちらは絵や写真が元になるのに対して、『箱庭フレーム』は実際に存在する場所を縮小して引き寄せる点が異なります。絵や写真から生まれる世界と、現実の場所を縮小した世界では、再現度や体験の深さが全く異なってくるでしょう。

また、まほうの地図のように地図を使って場所と連動する道具という共通点もあり、地図というアイテムがひみつ道具のキーになる事例はドラえもんの世界でも度々登場します。地図に書かれた記号や縮尺が現実の場所を指し示すという性質を、ひみつ道具が魔法的に活用するわけです。現実の地理情報を持った道具というのは、ひみつ道具の中でも特に知的な設計思想を感じさせます。

空とぶじゅうたんで空から街を見下ろした時の風景に似た光景を、地上に置いた箱庭として手元で楽しめるのは箱庭フレームならではの体験です。上空から眺めていた場所の中に実際に入り込めるという二段階の体験ができるのは、この道具の特別な魅力といえるでしょう。空から見た地形を箱庭で再現し、自分が小さくなってその中を探検するという体験は、地理や地形への興味を育てるという意味でも価値があります。普段何気なく歩いている街や公園が、小さくなって内側から見るとどのように感じるのか。『箱庭フレーム』はそういった新しい視点の発見をもたらしてくれる道具でもあります。ひみつ道具を使うことで世界の見え方が変わるという体験は、のび太たちにとって学校の授業よりも多くのことを教えてくれているのかもしれません。

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