エイプリルフールの季節になると非常に役立ちそうなひみつ道具が『ハリ千本バッジ』です。
いつも自分は騙されてばかりで損していると感じるあなた、ぜひハリ千本バッジを手に入れてみましょう。
ウソが本当になるバッジ
人を信じ込みやすいのび太は、毎年きまってエイプリルフールの日に友達から騙されてしまいます。
この日になると疑心暗鬼になり、他人を信用しようとしないのび太の様子を見たドラえもんはことの重大さに気付き、のび太を手助けしようと道具を取り出します。
それが『ハリ千本バッジ』です。
このバッジをつけていると、周りの誰かがあなたにウソをつくと、その人はそのウソを本当に実行しなくてはならなくなるのです。
ドラえもん10巻「ハリ千本ノマス」P102:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
例を出しましょう。
あなたがハリ千本バッジをつけていて、友達があなたに対して「100万円あげるよ」というウソをつくとします。
するとバッジが反応し、友達は自分の意思に反して体が勝手に動き始め、銀行から現金100万円を下ろしてあなたに手渡したり、振り込んだりしてしまうのです。
自らの意思に反して動いてしまうというのが、このバッジの恐ろしいところです。
実は性格がわるいしずかちゃん?
ジャイアンとスネ夫、しずかちゃんの3人が集まって、どうやってのび太を騙すか作戦会議をしています。
しずかちゃんは2人に対し、ウソで喜ばせておいて後からがっかりさせるのはかわいそうだとたしなめます。
ドラえもん10巻「ハリ千本ノマス」P105:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しかし、しずかちゃんは結局オチで『のび太の家が火事だ』というとんでもないウソをつき、ハリ千本バッジの効果によってのび太の家に火を点けようとします。
もっと親切なウソをついてあげようといいながら家が火事というウソ。
エイプリルフールなら許されるかも?と一瞬感じてしまいますが、よくよく考えると恐ろしいウソです。
みんなのアイドル的存在のしずかちゃんも、実はその内面は意外とあなどれないのかもしれません。
疑心暗鬼になるのび太
エイプリルフールは基本的にみんなウソをつくという前提が出来上がっているので、この日ばかりは人を疑う性格になるのは仕方ありません。
しかしのび太の場合は度を越えています。
ドラえもん10巻「ハリ千本ノマス」P101:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ウソで騙されるのが毎年とはいえ、普段ののび太の生活を見る限り、ここまで疑心暗鬼になるのは普通じゃありません。
彼の中で毎年ウソをつかれるのが大きなストレスとなり、ママや友達が言うことはおろか、親友のドラえもんの言葉ですら疑ってかかる始末。
お祭り騒ぎで済むエイプリルフールなら歓迎者ですが、世の中にはのび太のように精神的被害を被っている人もいるというわけですね。
これはいくらなんでもかわいそうじゃありませんか。
ハリ千本バッジで街に出よう
もしあなたがハリ千本バッジを手に入れることができたら、エイプリルフールの日はぜひ外出しましょう。
たくさんのウソが飛び交う日。いいこともたくさんあるはずです。
気をつけなければいけないのは自分にとって不利益になるウソの場合です。
『これはやばい!』と感じるウソがあったらすぐにその場を離れ、ハリ千本バッジが作動するのを防ぎましょう。
俊敏性も必要とされるひみつ道具です。