水をかけると膨らみ、乾燥すると縮む『ひものゆうれい』です。
見た目はかなりインパクトのある怖い姿をしていますが、扇風機の風で吹き飛ばされてしまうなど弱い面もあります。
人を驚かせる意外に特徴はなく、肝試しなどで使うと良さそうです。
のびたの不法侵入
のびたが秘密基地として空き家を使っていたところ、新しい住民が引越してくることになりました。
せっかくのプライベートな場所がなくなってしまうのびたは、住民を驚かせて立ち退かせてやろうというものすごい企みを考えます。
子どもならワクワクするシーン ドラえもん12巻「ゆうれいの干物」P88:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
でもこれ、子どもだから許されるかもしれませんが、立派な不法侵入罪です。
空き家とはいえ誰かが管理している家ですし、そこに勝手に入り込んで秘密基地として使うのはまずいですよね。
『ひものゆうれい』とともにのびたの代わりに空き家に乗り込んだドラえもんですが、頼りにならないひものゆうれいに業を煮やし、結局かえってきてしまったのでした。
もっともな発言である ドラえもん12巻「ゆうれいの干物」P93:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
簡単な命令はききます
水をかけると膨らむ『ひものゆうれい』は、「いけ」「まて」などの簡単な命令なら聞きます。
シンプルに命令しよう ドラえもん12巻「ゆうれいの干物」P92:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
自分から相手を驚かせたり、危害を加えることはありません。
ひものゆうれいを何体か用意して一斉に並べると、かなり迫力のあるシーンになるでしょう。
水がないと使い物にならない
『ひものゆうれい』はあくまでも干物なので、普段はシワシワです。
使うためには水でふやかす必要がありますが、時間がたつと乾燥してしぼんでしまいます。
子どもが遊びで使うおもちゃにはピッタリかもしれませんが、お化け屋敷などで使おうとするならば常に水分を絶やさないように注意する必要がありますね。
見た目のインパクトがすごい
ひものゆうれいを初めて見たのびたが驚いて布団を飛び出した様子からもわかるように、なかなかインパクトの強い見た目が特徴です。
これがいきなり現れたら誰でもビックリしますよね。
子ども向けのマンガながら、後々トラウマになってしまいそうなビジュアルです。
ドラえもんは高級ロボット
ひものゆうれいを仕掛けていたドラえもんから、驚きの発言があります。
「ぼくぐらい高級なロボットになると、蚊が刺すんだよ」
ドラえもんの衝撃的な発言 ドラえもん12巻「ゆうれいの干物」P92:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そう、ドラえもんは蚊に刺されるような高級なロボットなんですね。
ロボットには血液がないはずなのに蚊が近寄ってくるということは、蚊が探知できる二酸化炭素だったり特殊な要因がある可能性がありますね。
のびたの元にやってきたドラえもんは、それはそれは高級なロボットとしてのびたの成長を見守る役割を果たしていくのです。
ひもの幽霊という独特な発想
ひもの幽霊は、名前からしてかなりインパクトのあるひみつ道具です。ひもという身近で地味なものに、幽霊のような不思議さを組み合わせることで、ドラえもんらしい奇妙な面白さが生まれています。怖いようでどこか間の抜けた雰囲気が魅力です。
ひもは結ぶ、引っぱる、つなぐ、しばるなど、日常で多くの使い道があります。そこへ幽霊的な性質が加わると、普通の道具ではできない動きやいたずらが可能になります。身近なものを不思議に変える発想がよく出た道具です。
見え方によって怖さが変わる
幽霊という言葉がつくと、どうしても怖い印象があります。しかし、ドラえもんの世界では本格的な恐怖よりも、びっくりする笑いに転がることが多いです。ひもの幽霊も、相手を驚かせたり、思わぬ動きをしたりすることで騒動を生む道具でしょう。
相手にとっては、何もないところからひもが動くように見えるかもしれません。これは十分に怖いです。けれど、正体がひみつ道具だと分かれば一気におかしさが勝ちます。怖さと笑いの境目にある道具といえます。
いたずら以上の使い道
ひもを自在に動かせるなら、救助や作業にも応用できそうです。高い場所へロープを届かせたり、狭い隙間に通したり、落ちたものを引き寄せたりできます。幽霊という名前でも、実用性は意外と高いかもしれません。
ただし、勝手に動くひもは人を転ばせたり、首や手足に絡まったりする危険もあります。使い方を間違えるとかなり危ないため、いたずら目的で振り回すのは避けるべきです。地味なひもでも、動き出せば立派なひみつ道具になるのです。
ひもの幽霊を使う前に考えたいこと
ひもの幽霊は、効果だけを見るととても便利に思えます。しかしドラえもんのひみつ道具は、便利さがそのまま騒動の原因になることも少なくありません。使う人が目的をはっきりさせず、目先の得や面白さだけで使うと、最初の期待とは違う方向へ話が転がっていきます。
大切なのは、道具が何をしてくれるのかだけでなく、何をしてくれないのかを理解することです。ひもの幽霊にも得意な場面と苦手な場面があります。万能だと思い込まず、効果の範囲、持続時間、周囲への影響を考えて使えば、失敗はかなり減らせるでしょう。
日常にある悩みを大きく映す
ひもの幽霊が面白いのは、現実にもある小さな悩みを大げさな形で見せてくれるところです。楽をしたい、失敗を取り返したい、誰かに勝ちたい、危険を避けたい。そうした気持ちは誰にでもあります。ひみつ道具はその願いを一瞬でかなえますが、同時に願いの危うさも見せてくれます。
のび太が道具を使って失敗する場面は笑えますが、読者自身にも思い当たる部分があります。もし自分がひもの幽霊を持っていたら、本当に正しく使えるのか。そう考えさせるところに、ドラえもんのひみつ道具紹介としての面白さがあります。
読者が想像したくなる余白
作中で描かれる使い方は、道具の可能性の一部にすぎません。ひもの幽霊も、別の場面で使えばまったく違う活躍をするはずです。学校、家庭、旅行、災害時、仕事の現場など、置かれる場所が変わるだけで新しい使い道が見えてきます。
一方で、使い道が広いほどルール作りも必要になります。誰が使ってよいのか、どこまで使ってよいのか、失敗した時にどう戻すのか。こうした点まで想像すると、ひみつ道具は単なる便利アイテムではなく、未来の社会を考えるきっかけにもなります。
怖さよりも滑稽さが勝つ
ひもの幽霊は、幽霊という言葉がついていても本格的な怪談ではなく、ドラえもんらしいドタバタに向いた道具です。ひもが勝手に動き、絡まり、相手を驚かせる様子は怖いというよりどこかおかしいです。身近なものが少し不気味に動くだけで、日常が一気に非日常へ変わります。
この「少し怖いけれど笑える」バランスは、ドラえもんの短編でよく見られる魅力です。怖がらせるためだけではなく、最後には騒動として楽しめるところが、ひもの幽霊という道具の味わいです。
ひもの幽霊は、派手な能力よりも発想の奇妙さで印象に残る道具です。普通ならただのひもでしかないものが、意思を持つように動く。その小さな違和感が、日常を不思議な騒動へ変えていきます。ドラえもんのひみつ道具らしい、身近さと不気味さの混ざった一品です。
現実のひもは、結び方ひとつで便利にも危険にもなります。ひもの幽霊はそこに自動で動く性質が加わるため、使い方の幅がさらに広がります。荷物をまとめる、離れた場所へ引っかける、相手を驚かせるなど、地味ながら応用の余地が多い道具です。






