自分の親を入れ替えることができる不思議なひみつ道具、それが『家族合わせケース』です。
用意するものは写真だけ。さぁ家族シャッフルの始まりです。
理不尽な親にうんざり
子どもはいつの時代になっても、小さい頃は親の言葉や言動を理解できないことが多いものですね。
のび太、スネ夫、しずかちゃんの3人は、親が自分たちのことをわかってくれないとボヤいていました。
そこでドラえもんが取り出したのが『家族合わせケース』。
新しく自分の親になりたい人の写真を一緒にケースに入れると、本当に親子になれてしまう効果があります。
写真を公平にシャッフルした結果、
- のび太:しずかちゃんのママ
- スネ夫:のび太のママ
- しずかちゃん:スネ夫のママ
という組み合わせになりました。
ママたちは子どもが入れ替わったことには気付かず、今まで通りの生活を送ります。
逆に子どもたちはママが入れ替わっていることを知っているので、新鮮な感覚で過ごすことができるのです。
男女の入れ替えは問題がある
ママを入れ替え、順調に事が進んでいるかのように見えましたが、のび太がしずかちゃんの家で服を着替えようとすると、ある服すべて女の子用のものばかり!
もともとはしずかちゃんの家なので当然といえば当然ですが、男女で親を入れ替える場合は持ち物やおもちゃも入れ替えておかないと、のび太のように不自然な結果になってしまいます。
ドラえもん3巻「ママをとりかえっこ」P35:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ドラえもんの存在が不思議
のび太はしずかちゃんの家に割り当てられ、「家族合わせケース」の効力でしずかちゃんのママは何事もなかったかのようにのび太に接します。
しかしこの時、ドラえもんまでしずかちゃんの家に上がりこんでいるにも関わらず、しずかちゃんのママはさも当然のようにそれを受け入れています。
ドラえもん3巻「ママをとりかえっこ」P32:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
家族合わせケースにドラえもんの写真は入っていないはずなのに、どうしてこういうことが起こるのでしょうか。
- ドラえもんが遊びに来ていると思われていた
- ドラえもんが石ころぼうしを使っていた
- 実はこっそりドラえもんの写真も入っていた
- 作者が設定を忘れていた
ドラえもんが遊びに来ていると思われていた
しずかちゃんのママもドラえもんのことを知っているので、友だちとして遊びに来ていると思っていたかもしれません。
しかし、友だちがいる目の前で「さっきはどなってごめんね」などと言うでしょうか?
ドラえもん3巻「ママをとりかえっこ」P33:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ドラえもんが石ころぼうしを使っていた
実はしずかちゃんのママがドラえもんに対して話しかける様子は一切描かれていません。
そのため、実はドラえもんは石ころぼうし(周囲に関心を持たれなくなるひみつ道具)を使っていて、しずかちゃんのママに気付かれていなかったのかもしれません。
ただし、コミックにはドラえもんが石ころぼうしをかぶった様子はないので、透明な石ころぼうしを使っていたとか?
実はこっそりドラえもんの写真も入っていた
写真は2枚しか入ってないと思わせておいて、実はドラえもんの写真も一緒に家族合わせケースに入っていたかもしれません。
作者が設定を忘れていた
これも十分に考えられる理由です。が、今となっては知る由もありません。
気付きを得る子どもたち
家族合わせケースを使って親を入れ替えましたが、子どもたちは大きな気付きを得ました。
「親だって人間。誤解して怒ったり、八つ当たりすることもある。神様じゃない」
親も自分と同じ人間なんだ、時にはわけのわからないことで頭に来ることがあるだろうし、虫の居所が悪いときもあるよね、という、小学生らしからぬ立派な立派な気付きです。
素晴らしいですね、誰に言われるでもなく、自分たちでこのレベルの気付きを得た彼らは、将来大きく成長することでしょう。
ドラえもんはのび太の人生をよくするために未来の国からやってきましたが、どうやら周りの人たちの人生にも良い影響を与えているようですね。