足が速ければ運動会などでスターになれるため、俊足というのは憧れです。
しかし運動神経にはもって生まれた才能もあるので、生まれつきのんびりしている人は練習してもなかなか速く走れるようにはなりません。
今回はそんな人でも圧倒的なスピードで走れるようになる『人間機関車セット』の解説です。
人間機関車セットとは?
煙突と石炭と水のセットからなる道具で、煙突を頭にかぶり、石炭を食べて水を飲む事で、本物の機関車のように力強く、速く走れるようになります。
人間が食べても平気な石炭のようですが、材料は不明です。
体内で石炭が燃えあがり、身体から機関車や蒸気が噴出する音がして、身体中にエネルギーがみなぎり、気分も興奮してきて性格も積極的になります。
ドラえもん8巻「人間機関車」P111:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
本編での使われ方
運動会でジャイアンと組んで二人三脚に出る事になったのび太。
しかしのんびりしたのび太はいくら練習しても速く走れるようになりません。
あまりの遅さに業を煮やしたジャイアンから、「お前が当日休めば誰かが代わりになる」とズル休みをする事を強要されます。
速く走れるようになるという事で、ドラえもんが出してくれたのがこの『人間機関車セット』です。
さっそく煙突をかぶり、石炭と水を飲んでなんだか力もわいてきたのび太は、再びジャイアンのところへ赴きます。
人間機関車セットの副作用
機関車並のスピードで走れるようになる人間機関車セットですが、当然ながら副作用も存在します。
それは『一度走り出すと止まらなくなる』という事です。
そのことをのび太にうっかり伝え忘れたドラえもんはもっとしっかりしてほしいですね。
厳密にいえば、『しゅうてん』と書かれた駅看板が目の前に掲げられるとストップしますが、自分ひとりの力では止まれないのです。
ドラえもん8巻「人間機関車」P113:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
現実的に考えてみると、水と石炭を身体の中に入れてエネルギーを生み出しているため、いつかそれらが無くなってしまえば自然にストップすることでしょう。
人間機関車セットをつかったのび太に、町中を散々引きずり回されボロボロになったジャイアンは、「運動会には絶対出ない!」と家に閉じこもるのでした。
人間機関車セットに似た道具
コミックス33巻に登場する『SLえんとつ』が人間機関車セットの類似品でしょう。
こちらも機関車の煙突を頭にかぶってすごいスピードで走るタイプの道具ですが、石炭などは煙突に直接入れることで作動します。
人間機関車セットとの違いは、
- 自分の意思で止まることができる
- 煙突から煙やススを放出する
ということ。
特に煙やススが問題で、近所の人から「洗濯物が汚れる」などの苦情が殺到して、運動会には使われずじまいでした。
ちなみに本物のSLも同じような苦情が寄せられて廃止になった事があるようです。
足が速くなる道具
のび太の足が遅いせいか、足が速くなる道具はいくつか登場しています。
コミックス5巻に登場する『クイック&スロー』がわかりやすいかもしれません。
『クイック』を飲むと、動きや思考が早まって、チャカチャカして落ち着きが無くなったような感じになります。
『スロー』を飲むと動きが鈍くなります。
人間機関車セットと同じく、クイックを飲んで一旦走り出すと止まらなくなり、薬を飲んだドラえもんは窓を突き破って東京から青森を物凄いスピードで往復していました。
ちなみに性格もせっかちになるので、例えば焼き芋などを食べたりするときは食べる前におならをするといった感じになります。
道具で足を速くするのには色々と副作用が付き物のようですね