人間製造機

現在進んでいるクローン技術でも人間を作り出すことに倫理的な面から反対する人も多いといいます。

しかしそんな「人間」を作れてしまうひみつ道具がドラえもんの世界には存在します。

今回はそんな人間製造機の解説です。

人間製造機とは?

ご家庭でも簡単に人間を作れてしまうという触れ込みの機械。

人間を構成する物質の基となる成分の含まれた石鹸や鉛筆、石灰、イオウ、マグネシウム等の数々の材料を機械に入れると、機械が人間に近い形に再構成し、新しい人間として生み出されます。

コミックでの使われ方

新世界デパートという、ひみつ道具を取り扱う業者から誤ってドラえもんのところに送られてきた人間製造機。

既に回収命令が出ていたらしく、ドラえもんはすぐ未来の世界に送り返すつもりでした。

しかしドラえもんが用事で留守にしている間に、あろうことかのび太が機械を操作してしまうのです。

ご家庭でも簡単に集められる素材から人間を作れるという事で、のび太はまるで錬金術師さながら、材料集めに奔走します。

人間製造機の材料を集めるのび太
科学実験のようだ

ドラえもん8巻「人間製造機」P50:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

なんかこのシーンだけ見ると、まるで科学のお勉強のようです。

そういえば、この回でのび太がしずかちゃんに「二人で一緒に赤ちゃんを作ろう」と持ち掛けてぶん殴られるシーンはあまりにも有名ですね。

しずかちゃんを誘惑するのび太
しずかちゃんは意味を理解している

ドラえもん8巻「人間製造機」P51:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

材料が揃い、人間を作り始めたのび太ですが、その後帰ってきたドラえもんからは、実はあの機械に重大な欠陥があり、回収騒ぎになっている事が明かされますが・・・。

世界を滅ぼしかけた重大な欠陥とは?

人間製造機で作られた人間は、恐ろしい超能力を持つミュータントになってしまうという恐ろしい欠陥があったのです。

そのミュータントたちは勝手に仲間を増やして世界を支配しようと騒ぎを起こし、未来でも国連軍が出動する大惨事になったといいます。

のび太の世界でも人造人間(赤ちゃん)が超能力を使ってドラえもん達に襲い掛かります。

超能力を使う赤ちゃん
恐怖の赤ちゃん

ドラえもん8巻「人間製造機」P54:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

このままでは危険と判断したドラえもんは、時間を戻す「逆時計」を使い、元の材料に戻して事なきを得たのでした。

今回初登場な未来のデパート

今回の話から、22世紀にはひみつ道具を販売しているデパートが存在するという事が明かされます。

しかし今回出てきたのは後期でお馴染みとなった「未来デパート」ではなく、「新世界デパート」という名称のデパートです。

この話以降出てこない所を見ると、この人間製造機を販売してしまった一件で店としての信頼性を失って倒産してしまった可能性が十分考えられます。

しかしこの後メインの購入先となる未来デパートも誤配送を繰り返しているので、こちらも店としての信頼性はいまいちな感じがします。

しかし店頭で「地球はかい爆弾」などが普通に売ってる様子はとてもシュールかもしれませんね。

人間製造機に似た道具

似たような道具としては、コミックス27巻「ジャイアン良い子だねんねしな」に
登場する「クローン培養基」があります。

コピーしたい人間の髪の毛を1本入れて培養し、その人間にそっくりなクローン人間を作り出す機械です。

これも倫理的に大いに問題アリな道具といえます。

生まれた時からある程度の知能を持っていた「人間製造機」に対し、こちらは外見こそはコピーされた人間と同じですが、脳はまったくの白紙な赤ん坊状態です。

ちなみにこの状態は、藤子F先生の短編「恋人製造法」で片思いの子のクローンを作った時とまったく同じ状態でした。

クローン培養基には取り消しボタンが備え付けられているため、培養したクローン人間に何らかの問題があっても、元の髪の毛にすぐ戻すことが可能です。

ちなみに「クローン培養基」も、未来デパートの誤配送で届くという、またもやデパートが絡んだ話という共通点もあります。

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