現代はデータの社会といえるほど、あらゆるものが数値化されてデータとなっています。
しかし中には数値にし難いものもあり、データ化するのが困難なものもあります。
今回はそんなデータ化しにくいものも数値化してグラフに出来る『正かくグラフ』というひみつ道具の紹介です。
正かくグラフとは?
一見普通のグラフ用紙に見えますが、上部のグラフタイトルの部分に数値化したいものを書き、下に比較の対象となる人間の名前を書いてスイッチを押すと棒グラフが現れます。
その正確性は確かで、本人の知り得ないことまで数値として出ててしまいます。
正かくグラフの使い方
皆で下校中に成績や体力で誰が一番かで話題になりました。
のび太はどれも最下位というレッテルを貼られてバカにされてしまいます。
家に帰ってこういった事を正確に数値に出せないかと相談されたドラえもんが出したのが正かくグラフです。
のび太は早速みんなの名前を書き、「いいあたま」と「力持ち」のグラフを出しますが、結果はどちらものび太がぶっちぎりの最下位でした。
ドラえもん8巻「グラフはうそつかない」P34:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
「ちからもち」に至ってはしずかちゃんよりも低いという驚きの事実!
絶対にうそをつかない正かくグラフ
このグラフの数値はとても正確で嘘がありません。
あまりに嘘偽りのない結果が数値として現れてしまうので、時としてその結果は見る人間に残酷な現実を突きつける事にもなります。
その現実を受け入れて、自分自身を鍛えていくのが人間としては一番なのですが、人間誰しもそんな強い精神は持ち合わせておらず、現実から目を逸らしがちです。
のび太もグラフの結果を受け入れることが出来ず、いいあたまのグラフ棒にペンで勝手に書き足して自分を1番にしてしまいます。
すると、書き足されたグラフ棒がグラフ用紙から飛び出してのび太君を殴りつけ、のび太を机に座らせて無理矢理勉強させようとするではありませんか!
ドラえもん8巻「グラフはうそつかない」P35:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
正かくグラフはその名の通り正確です。
こういった不正をすると、その書き足されたグラフの通りになるまで本人を無理やり特訓(この場合は勉強ですが)するようになっています。
ちなみにアニメでは、スネ夫が「ルックス」、ジャイアンが「歌唱力」をそれぞれ不正に書き足してしまったので、同じような目に遭っています。
上手に使うと中立性を保つ便利な道具
このように不正には大変厳しい正かくグラフですが、今回みたいな姑息な不正さえしなければ、そのデータは大変正確なものです。
人間の目では数値化しにくいものをあらわすのにはとても役に立ちますね。
体操やフィギュアスケートのような審査員の感覚によって評価が決まる芸術点を競う物の場合は、曖昧な感覚だけでなく、正確な点数を出せるので公平性が増します。
不正が介入することもないので、本当に実力があるのは誰かが一目瞭然ですね。
正かくグラフへの要望
コミックでは棒グラフとして登場した正かくグラフ。
しかし、用途によっては円グラフや折れ線グラフで表現したほうがいい場合もあるでしょう。
ストーリーの中でそれ以上の機能について言及されていないため想像の域を脱しませんが、ボタン操作などでグラフの種類を変えられたら面白いですね。
もしくは、グラフが状況を自動的に判断し、その場に最適な種類のグラフを表示する機能があれば最高です。