家の中にいながら、世界中どこでも旅行した気分になるひみつ道具、それが『室内旅行機』です。
室内旅行機について
室内旅行機は一種のバーチャル空間発生機です。
立体映像を駆使し、用意された映像を現実にあるかのように見せてくれる道具です。
この道具さえあれば、ただの部屋でも海岸になったりジャングルになったり、思いのままの空間を作り出すことができるのです。
忙しい毎日、どこか旅行に行きたくなる事もありますよね。
しかしいざ行こうと思っても、時間もお金もかかってしまって色々と大変です。
もし家の中でもお手軽に旅行気分が味わえるなら、こんなに嬉しいことはないですよね。
室内旅行機の使われ方
自分の部屋に海岸やジャングルを映し出して楽しんでいたのび太とドラえもん。
そんな時、ママから旅行を催促されて困っているパパを見て、家全体に温泉旅館を映し出すことを思いつきます。
元々は普通の家なのですが、背景はがらりと違うものが映し出され、たちまち豪華ホテルになってしまいました。
ドラえもん6巻「温泉旅行」P33:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
更に雰囲気を出すために温泉客の映像も追加され、さらに賑やかな温泉旅館の感じがでて、臨場感も相当なものになります。
すっかり気を良くしたパパは、傍にいた仲居さんにチップをあげてしまいますが、実はそれはドラえもんの変装で、まんまとパパからお小遣いをせしめる二人でした。
ドラえもん6巻「温泉旅行」P37:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
プラネタリウムの進化系
お手軽にバーチャル空間どころか音声までも作れてしまう室内旅行機ですが、その見た目はプラネタリウムの機械にそっくりです。
イメージ的には室内に星空を映し出すプラネタリウムの発達したものというような感じだったのかもしれません。
実はよく登場する室内旅行機
また、他のコミックの別の話では「立体映写機」とも呼ばれています。
お手軽に立体映像による背景を作り出せる利便性の高さから、この後も色々な話で登場します。
自主映画の背景作りに使われたり、どこでも温泉に入れる「温泉ロープ」の背景作りや、おんぼろホテルを豪華に見せるために背景を変えてみたりなど、主にお手軽な背景作りで活躍している道具の一つです。
20巻の「宇宙大魔神」で登場した「イージー特撮カメラ」との互換性もあり、自主映画ながらリアルな背景作りに一役買うような役目もしています。
変わるのは見た目だけ
このように、大変便利で道具としての使用頻度も高い室内旅行機ですが、いくら背景を作り出せるといっても、所詮は立体映像による見せかけなので注意が必要です。
ドラえもん6巻「温泉旅行」P32:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
のび太が家で使った時も、家が狭いという事で、見えなくなった壁やら物やらに身体をぶつけ、満足に歩くことができないなどのデメリットも生じています(パパからも「いちいち狭い狭いというな」とどやされます)。
室内旅行機を実現化させようとする動き
室内旅行機は、現実の世界でドラえもんのひみつ道具を再現しようというプロジェクト「四次元ポケットPROJECT」において、富士ゼロックスよりレプリカが作られています。
詳しくは特設サイトを御覧ください。
忙しい現代人にピッタリ
ボタンを切り替えるだけで擬似体験を楽しむことができる室内旅行機。
忙しい仕事中の気分転換や、いつもの作業環境とは違う場所で仕事をしたい人などに爆売れしそうなひみつ道具です。
ストレス発散やヒーリング効果を求めて、室内旅行機を求める長蛇の列ができることでしょう。