水中で思わぬ敵に出くわした時に、水の中で衝撃波を発射し敵を撃退する『水圧銃』というひみつ道具です。
サメや海中での敵に効果的ですね。
のび太と一緒に太平洋を横断
夏休みを利用し、日本からサンフランシスコまで太平洋を歩いて横断計画を考えているのび太。
もちろん、こんな挑戦はだれもが不可能ですが、ドラえもんの妹ドラミちゃんのひみつ道具を使うことで実現可能になるのです。
その中の1つが『水圧銃』です。
強力な水圧銃
水圧銃は、カードリッジの中に水圧を貯め、一気に発射することで強力な衝撃波を出す大変攻撃力のある銃です。
きれいな海中を堪能していたのび太の前に、突然サメが現れました。
のび太は水圧銃を使い、サメに衝撃波をあてて撃退します。
ドラえもん4巻「海中ピクニック」P54:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
一説によると、水圧銃は1,000,000トンもの水圧を貯め込むことができるようで、それが本当であれば恐ろしい威力を秘めていることになります。
銃を使うのび太への衝撃、銃そのものへの衝撃など、あらゆる物理法則を無視したひみつ道具といえるでしょう。
しかし、そこはドラえもんのマンガ。
都合の悪いことはとりあえず置いておき、ワクワク感やドキドキ感のあるストーリー展開がなされます。
水のかたまりをぶつけるだけではない
水圧銃ときくと、水のかたまりを対象に向けて発射する銃に聞こえますが、アニメ版を見てみるとそれとは違う使われ方も紹介されています。
大山のぶ代版のドラえもん
サメに向けて水圧銃で攻撃するだけでなく、サメの攻撃をかわすために地面に向けて水圧銃を発射し、反作用の力で体を浮かべる使い方をしていました。
水田わさび版のドラえもん
水圧銃をサメの口の中にツッコミ、サメを風船のように膨らませ、風船の空気が抜ける要領を利用してサメを遠くに吹き飛ばす使い方をしていました。
似ているひみつ道具
圧縮した塊を打ち出すということで「空気ピストル(薬含む)」や「空気砲」が似ているひみつ道具といえるでしょう。
特に、空気砲は大長編ではかなりの頻度で登場するひみつ道具の1つ。
襲いかかってくる敵に向かって空気のかたまりを飛ばす攻撃用のひみつ道具ですが、それの水中版が水圧銃といえそうです。
子ども向けのマンガということを考え、ドラえもんが持つひみつ道具は相手の命を奪うような強力な威力は紹介されていません。
せいぜい相手を気絶させるぐらいでしょうかね。
現代の水圧銃は少し違う
実は現実世界においても水圧銃に似たものはすでに実用化されています。
しかし、コミックのように水中で使うというよりも、圧縮した水を鉄砲のように打ち出す消防車のホースや、海賊船などに向けて水を発射する海上保安庁の船、暴動対策のための散水車などがあります。
それもそのはず、私たちが海中で遭遇する敵といえばサメぐらいしかなく、仮にコミックのような水圧銃を開発したところで、いったい誰がそれを使うのか想像がつかないのです。
現代の技術であれば、ドラえもんコミックのような水圧銃に似たものを作ることができるかもしれません。
しかし、作ったところで使う機会がなく、需要がないのであれば、誰もそれを作ろうとしないのは当然です。
もし未来の世界において、海中散歩を誰もが気軽に楽しめる時代になってくれば、水圧銃のような護身用の道具も開発されてくることでしょう。