手の平に手相を書くことで、その手相に対応した出来事が次々と実現してしまう『かならず当たる手相セット』です。
見本となる手相は1冊のカタログにまとめられているので、それを真似して書くだけというなんとも便利なひみつ道具ですね。
手相がわかるスネ夫
「自分は手相を見ることができる」
こう言い放つスネ夫は自分のスキルをいかし、友だちの間で大人気です。
のび太の手相を見たスネ夫によると、のび太の今後の人生は悲惨なもので、若いうちに路頭に迷うとのこと。
それをすっかり信じてしまったのび太は、いつものようにドラえもんに助けを求めます。
スネ夫のことなので、手相が見えるのはおそらくウソだと思われますが、女の子から人気を集めている様子を見る限り、人の心をつかむ術は持ち合わせているようですね。
手相を書くと実現する
ドラえもんがテストで自分の手に書いてみせた手相は「金運の相」。
手相を書いた途端、のび太のパパがドラえもんにお小遣いを手渡します。
本来であればのび太がもらうはずのお小遣いですが、「いつもと違うことをしないとつまらない」というなんとも理不尽な理由でパパはドラえもんに渡したようです。
ドラえもん2巻「かならず当たる手相セット」P103:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
これが手相セットが持つ力です。
手相で書いたことは必ず実現してしまうのです。
その後でのび太も金運の相を書いたところ、親戚のおばさんが家にやってきて、お小遣いをもらうことができました。
手相はロボットにも効果あり。驚きの結果
ドラえもんの手にはもともと手相はありませんが、手相セットで書き込んだ効果が現れました。
ドラえもんを生き物とするかどうかは判断が難しいところですが、手相セットは動物にも効く可能性があります。
例えば犬に金運の相を書くとどうなるのでしょうか?
犬はお金を使わないので金運は関係ないように見えますが、ひょっとすると犬を神様とあがめる人が現れ、お賽銭を置いていくのかもしれませんね。
悪い手相もある
しかしこの手相セット、良い手相だけでなく「かいてはならぬ悪運の相」も紹介されています。
書くと悪いことばかり実現してしまう、どうしてそんなものを用意したんだと問い詰めたくなる手相ですが、なんとのび太は自分の手にこれらの悪運の相を書いてしまうのです。
書いた結果、次のようなことが次々とのび太に降りかかります。
- ぶつかり相→ジャイアンにぶつかる
- なぐられ相→ジャイアンになぐられる
- おっこち相→階段から落ちる
- しばられ相→階段から落ちたはずみで、電車ごっこのひもに縛られる
- ナイフでつきさされる相→未遂で終わる
最後の「ナイフでつきさされる相」が実現する一歩手前で、ドラえもんが未来から持ってきた手相を消すクリームのおかげで、のび太は一命を取り留めました。
必ずクリームと併用したい
「かならず当たる手相セット」で書いた手相は、一見すると墨で書いたような色をしていますが、これを消すためには「手相を消すクリーム」を使うしか方法がありません。
水で濡らしたりこすっても手相の効果が持続するため、のび太のように誤った手相を書いた場合に備え、クリームは常に携帯しておく必要があります。
ひょんなことからクリームを紛失してしまったのび太でしたが、コミックの中では間一髪ドラえもんの素早い行動のおかげで、ナイフでつきさされる前に手相を消すことができました。
ドラえもん2巻「かならず当たる手相セット」P105:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
悪運の相が書かれてあるページをはじめから破っておけば、のび太が誤って書くこともなかったと思われますが、適当な形を書いて手相として認識されるとやっかいなので、取り扱いには十分な注意が必要ですね。
自分で運命を切り開く
コミックでは「手相に頼らず、自分でがんばっていくよ」と、最後にのび太が成長を見せるシーンで終わります。
手相で人生をコントロールするのではなく、自らの行動と努力で未来を良くしていこうとのび太が気付いたのは、ドラえもんにとって大きな収穫だったといえるでしょう。
占い結果を信用するだけでなく、日々精進して運命を切り開いていって欲しいという藤子先生の教えなのかもしれませんね。