うそつきかがみ

『うそつきかがみ』は、人を極端に美化して映してしまう鏡です。

うそつきかがみに映った自分を見て、これが自分の本当の姿だと勘違いする人が続出してしまう、なんともお騒がせなひみつ道具なんですね。

コミックではうそつきかがみの魅力にすっかり取り憑かれてしまった子どもたちの様子が描かれました。

のび太が劇画調のハンサムに

ドラえもんがうっかり出しっぱなしにしていたうそつきかがみを覗き込んだのび太は、そこに映っているハンサムな自分の顔に驚いてしまいます。

ひみつ道具のうそつきかがみ
この顔ならモテモテだろう

ドラえもん2巻「うそつきかがみ」P76:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

普段の間抜けな顔が、まるでアイドルのように凛々しく、かっこよくなっていることに驚くのび太。

実はこの鏡、自分の意思を持っているのでしゃべることができるんですが、うそつきかがみがさらに追い打ちをかけるかのようにのび太に話しかけます。

「そうです、あなたは世界一なのです」

普通に考えれば、自分の顔を見間違えることなんてありえませんよね。

別の鏡をみてもう一度確認してみたくなるのが常識的な考えですが、うそつきかがみが「あなたは世界一」と吹き込むことで、人はすっかりそれを信じ込んでしまうようです。

うそつきかがみはおせじ上手

名前こそ「うそつき」というなんとも不名誉な名称ですが、うそつきかがみはあくまでもおせじ上手な鏡なんです。

それをやりすぎてしまうのがこの鏡のダメなところ。

人を美化して楽しい気持ちになってもらうだけならいいんですが、言い方が極端なあまり鏡の前から人が離れず、鏡の依存症になり、鏡なくしては生活ができないレベルにまでなってしまいます。

一種の中毒症状ともいえるでしょう。

ことの重大さに気づいたドラえもんは鏡を壊そうとしますが、それをきっかけにうそつきかがみはすっかり反省し、人を極端にブサイクに映す鏡になってしまうオチです。

ひみつ道具のうそつきかがみ
極端すぎる鏡

ドラえもん2巻「うそつきかがみ」P84:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

うそつきかがみの目的は?

そもそもですが、うそつきかがみは何のために作られたひみつ道具なんでしょうか?

正しい情報を示さないものを敢えて作るのであれば、必ず目的があるはずなんです。

これはあくまでも予想にすぎませんが、次のような可能性はどうでしょうか。

  • 落ち込んだ人を励ますため
  • 褒め方の勉強をするため
  • 子どものおもちゃとして
  • 余興として

落ち込んだ人を励ますため

これが一番可能性のある理由です。

鏡を見たくてたまらないほど中毒症状を引き起こすのはやりすぎですが、キレイな自分を見て悪い気分になる人はいません。

気分が落ち込んだ人を美化して映すことで、気持ちを励ますために作られたのではないでしょうか。

褒め方の勉強をするため

いつの時代になっても人と人のコミュニケーションが無くなることはありません。

良好な関係をつくるために「褒める」技術を鏡から勉強するため、うそつきかがみが作られたことが考えられます。

言葉たくみに人を魅了する鏡の話術からは、学べることがたくさんあるでしょう。

子どものおもちゃとして

子どものおもちゃとして作られた可能性も捨てきれません。

子どもは遊びの天才ですので、うそつきかがみですら上手に使いこなし、遊び道具として活用するでしょう。

余興として

飲み会や宴会の場を盛り上げる余興向けの道具かもしれません。

使いみちを考えれば効果的な道具

うそつきかがみは人を褒める天才

仕事に行きたくない時、辛いことがあった時、なんとなく気分が上がらない時、うそつきかがみはあなたを盛り上げてくれることでしょう。

しかし、次の注意点はしっかり守る必要があります。

  • 鏡が言うことは全てウソ
  • 長時間つかわない

あくまでも鏡に映る自分の姿はウソなんです。それを勘違いしないこと。

鏡を長時間つかうのも危険です。のび太たちのように中毒になる可能性があります。

しかし注意事項を守って上手に使いこなせば、自由自在にやる気とテンションをコントロールし、活力あふれる生活を送れることでしょう。

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