わすれろ草

嫌な事や辛い事はなるべく早く忘れてしまいたい・・・と思った事は誰しも一度はあるはず。

しかしそんな記憶に限ってなかなか忘れにくくなるものです。

でも安心してください、ドラえもんのひみつ道具の中には記憶を消してしまう物もあります。

今回はそんな道具の一つである『わすれろ草』の解説です。

わすれろ草の本編での使われ方

壁にジャイアンとスネ夫をバカにしたラクガキをしたのび太でしたが、運悪くそれがジャイアンとスネ夫に見つかってしまいます。

追いかけられながらもなんとか家まで逃げ帰って事なきを得たのび太でしたが、さらにタイミング悪く、その直後にママからお使いに行くよう頼まれてしまいます。

家の外では2人が待ち構えています。自業自得とはいえ大ピンチです。

そんな状況を見かねたドラえもんが出してくれたのが『わすれろ草』でした。

わすれろ草で記憶をなくすドラえもん
あやしい香りを放つわすれろ草

ドラえもん9巻「わすれろ草」P65:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

これから発せられるにおいを嗅ぐと一時的に記憶がなくなり、しばらくの間ですが色々な事を忘れてしまいます。

早速ママに匂いをかがせて何をしようとしたのか忘れてしまった所に、「お使いに行くんでしょ」と言い聞かせると、ママはそれを信じて自分でお使いに行ってしまいました。

お使いにいくママ
効果はばつぐんだ

ドラえもん9巻「わすれろ草」P66:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

なんとかピンチはしのいだものの、家の前にはまだジャイアンとスネ夫がいて、待ち構えています。

そこでドラえもんはジャイアンにわすれろ草をかがせて誰を殴るのかを忘れさせ、「スネ夫を殴るんだろ」といって仲間割れをさせてしまいました。

連載初期の空気が漂う

わすれろ草は初期のドラえもんの空気を残した内容になっています。

特に、ジャイアンがひみつ道具の力でうまく騙され、何度もスネ夫を殴ってしまうおとぼけキャラになっているのが特徴的ですね。

さらに、スネ夫が1人でずる賢く立ち回ってのび太からわすれろ草を取り上げ、皆にいたずらをした後に誤って自分で臭いをかいでしまい、トイレに行く事を忘れておもらしするという一連の流れもあります。

わすれろ草で記憶をなくしておもらしするスネ夫
スネ夫、一生の大後悔

ドラえもん9巻「わすれろ草」P71:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

冒頭で落書きするのび太も何となく初期のキャラクターっぽさを残した演出ですね。

持続時間は30分

『わすれろ草』の効果は30分と見られています。

コミックス28巻『しんじゅ製造アコヤケース』においてしずかちゃんはママの真珠のネックレスを勝手に持ち出すのですが、しずかちゃんのママの記憶からネックレスのことを消すために『わすれろ草』が使われます。

新しい真珠が出来上がるまで30分かかるのですが、真珠が出来上がるのとほぼ同じタイミングでママが記憶を取り戻す描写がありました。

もしも現実にあったとしたら

一時的とはいえ、記憶を失わせることができる『わすれろ草』ですが、もしも現実にあったとしたら護身用の道具として人気が出るかもしれません。

襲われた時にさっと取り出して相手に匂いをかがせ、記憶を失ったところで逃げ出すのです。

草の形状をしていたら持ち運びが不便でしょうから、スプレータイプに改良したり、もっと進化すれば人から触れられるだけで身体からわすれろ草の成分が出る服にしたり、使い道はたくさんありそうですね。

似た道具

ドラえもんでは人間の記憶を操る道具が数多くあります。

その中でも記憶を消してしまう系の道具として挙げられるのが、コミックス21巻に登場する『ドラキュラセット』です。

牙とコウモリの羽を付けてドラキュラになれる道具ですが、吸い取るのは血ではなく、人間の脳から記憶を吸いとります。

コミックス37巻に登場する『ワスレンボー』で相手の頭を突っつくと、指定した時間をさかのぼって記憶を消すことが出来ます。

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