ヤカン型の機械に声を吹き込むと、シャボン玉が出てきて、割ると吹き込んだ声が再生される「ヤカンレコーダー」というひみつ道具です。
発想がすごいひみつ道具
まず、ヤカンとレコーダーを一緒にまとめてしまおうという発想がすごいですね。
レコーダーはいいにしても、どうしてヤカンを選んだのか非常に不思議です。
ドラえもん4巻「ヤカンレコーダー」P150:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
声を録音すると、それがシャボン玉になって飛び出てくるという誰も思いつきもしない仕様が、まず目をひきます。
本人の身代わり・・・とまではいかない
外で遊びたくてたまらないのび太は、ヤカンレコーダーを使ってあたかも自分が部屋で宿題をやっているかのような状況を作り出すことに成功します。
声を録音しておき、タイミングを見計らってドラえもんにシャボン玉を割ってもらう作戦です。
もしママが部屋に入ってくれば一瞬でバレてしまう穴だらけの作戦に見えますが、そこへのツッコミは敢えてしないでおきましょう。
心配したとおり、コミックの最後ではママにバレてしまうわけなのですが、のび太の謝罪もヤカンレコーダーで済ませてしまう様子は、さすがとしか言いようがありません。
ドラえもん4巻「ヤカンレコーダー」P155:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
出るわ出るわ、ジャイアンへの不満
スネ夫のレコーダーを無理やり借りていったジャイアンの態度に不満たらたらのスネ夫としずかちゃん。
その様子を見たのび太が、ジャイアンへの悪口をヤカンレコーダーで録音し、ジャイアンの部屋に投げ込むという暴挙に出ます。
いつもいじめられているのび太やスネ夫がジャイアンに仕返しをするのはまだわかります。
ところがなんと、しずかちゃんまでもジャイアンへの悪口レコーディングに参加しているようなのです。
ドラえもん4巻「ヤカンレコーダー」P154:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しずかちゃんが直接悪口を吹き込んでいるシーンは描かれていませんが、上の画像で紹介している悪口のどれか1つをしずかちゃんが言っていることを考えると、明日からしずかちゃんの評価が変わってしまうかも知れませんね。
でもしずかちゃんは見かけによらず男勝りなところもあるため(木登りが好きなど)、心の奥底では人に言えないような強烈なことを考えていてもおかしくはありませんね。
レコーダーとしての機能はイマイチ
自分や人の声を吹き込み、シャボン玉を割ると声が再生されるアイディアはとてもいいと思います。
ただし、シャボン玉は割ったら一度切りなので、もう一度再生することができないのではと思われます。
レコーダーといいつつ、メモ程度の内容を短く記録するのには向いているのでしょう。
シャボン玉で重さはほとんどないに等しいとはいっても、たくさん録音すればシャボン玉の持ち運びも問題になります。
今の時代はスマホで録音もバッチリこなせてしまうので、わざわざ使い勝手の悪いヤカンレコーダーを使うシーンは本当に少なくなるでしょう。
物珍しさはばつぐん
わざわざヤカン型レコーダーとシャボン玉を題材にしたのが、このひみつ道具の特徴でしょうか。
特に、シャボン玉を割ると声が再生される仕組みは、現代の科学でも上手に再現するのは至難の業でしょう。
シャボン玉に声を乗せること、さらにシャボン玉が割れないように持ち運びできること。
この2つを同時に実現するとなると、かなりハードルが上がると思われます。
単に声を録音するだけであればスマホで事足りますが、シャボン玉が絡んでくると途端に難易度が上がりますね。
とはいうものの、そこまで科学技術の粋を集めて作り上げるほど、ヤカンレコーダーに価値があるとは思えません。
用途が限られてしまうため、もっと他のひみつ道具を作成する産物として、ヤカンレコーダーを作ってみた程度のものでもいいかもしれませんね。