バランスローラースケート

自動的にバランスを取り、転ばず安全に楽しむことができるバランスローラースケートはいかが? 運動音痴な人でも転ばず安全に、障害物があれば自動的に進行方向が反転してぶつからない仕組みになっています。のびたのような運動が苦手な子どもでも安心して楽しめる設計は、ドラえもんのひみつ道具の中でも特に優しい部類に入ります。

ローラースケートで遊ぼう

普段からダラダラしているのびたに運動をすすめるドラえもんはバランスローラースケートを取り出します。

バランスローラースケート
のびたでも安心・安全

出典:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄「ドラえもんプラス5巻「こうつうきせいタイマー」P129:小学館

絶対転ばない安全なローラースケートなのですが、道路は車が多く、安全な場所とはいえません。

こうつうきせいタイマーを駆使し、車と人の流れを抑制した後で心ゆくまで楽しむことができたのでした。

このエピソードはドラえもんプラス5巻こうつうきせいタイマーに収録されています。バランスローラースケートとこうつうきせいタイマーという2つの道具が連携して使われる構成は、ドラえもんプラスならではの道具の組み合わせによる物語展開の面白さを見せてくれます。安全な道具でも環境が伴わなければ遊べないという現実的な問題を、もう一つの道具で解決するという流れが巧みです。

道具の組み合わせという観点では、このエピソードはバランスローラースケートだけではなくこうつうきせいタイマーも主役として機能しています。二つの道具が補い合うことで初めて完全な遊びが実現するという展開は、道具単体では解決できない問題の存在を示しています。

危険を察知します

バランスローラースケートは乗っても自動的にバランスを取り、運動音痴な人でも転ばず楽しむことが出来ます。

さらに障害物が目の前にある場合、自動的に進行方向が反転してぶつからないような仕組みになっているのです。

バランスローラースケート
危険を回避します

出典:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄「ドラえもんプラス5巻「こうつうきせいタイマー」P129:小学館

使用者はただ滑るだけでよく、危険回避やバランスなどはスケート靴が自動的にやってくれる便利な遊具です。普通のローラースケートは乗りこなすまでに練習が必要で、最初は転倒を繰り返すものですが、バランスローラースケートならその過程を省略できます。ただし、障害物が人や車の場合は急な反応を必要とする動きは苦手なのかもしれません。

現代のバランスボードや電動スクーターにも自動バランス機能が搭載されているものがありますが、ドラえもんが描いたこの道具のコンセプトはそれを先取りした発想と言えます。転倒を心配せずにスポーツを楽しめるという安全性へのこだわりは、子どもの遊びを応援するドラえもんらしい設計です。

進化版もあります

コミック33巻に登場したどこでもだれでもローラースケートはバランスローラースケートの進化版といえます。

転ばないのはもちろんのこと、壁や屋根も走ることができ、目をつぶって走っても絶対に安全が担保されているのです。

今回のバランスローラースケートはその入門編ともいうべき位置づけと考えられますね。

交通規制しなくてもよかったかも?

交通量が多くて安全に遊べないことを理由にドラえもんはこうつうきせいタイマーで車と人の流れを一時的にストップさせるのですが、その必要はあったのでしょうか?

なぜならバランスローラースケートは障害物を自動的に回避し、方向転換する機能が備わっているわけです。車や人が目の前にいても安全に回避できるような気もします。

それとも、相手の行動は予測できませんから、急な反応を必要とする動きは苦手なのかもしれません。ある程度開けた場所で周囲の安全が確保されてから使うのがおすすめなのかもしれませんね。

移動を楽にするひみつ道具には快速シューズのように速く走れるものや、タケコプターのように空を飛べるものもありますが、バランスローラースケートは安全性という面で独自の強みを持っています。四次元三輪車のように乗り物として機能するものと比べると、バランスローラースケートはより手軽に楽しめる遊具という位置づけです。のびたのような運動が苦手な子どもでも安心して楽しめるという点で、これほど優しい設計の遊び道具はドラえもんのひみつ道具の中でも珍しい部類に入ります。

バランスローラースケートというシンプルな機能の道具が、こうつうきせいタイマーとの組み合わせによって初めて真価を発揮するというエピソードの構造は、ドラえもんプラスシリーズの豊かさを示しています。単体では少し物足りないと感じる道具も、別の道具と連動することで豊かな物語が生まれる。これがドラえもんのひみつ道具の世界の面白さのひとつです。

現代のスポーツ用品においても、初心者が安全に楽しめるようにバランス補助機能を持つローラースケートやスケートボードが開発されています。ドラえもんが描いたバランスローラースケートのコンセプトは、その方向性を先取りしていたと言えます。運動が苦手な人でもスポーツを楽しめるという包括的な設計思想は、現代のユニバーサルデザインの考え方とも一致しています。

バランスローラースケートはのびたという運動音痴の象徴のような主人公に特化した道具として設計されているように見えますが、実際にはどんな人でも安全に楽しめるという汎用性を持っています。ドラえもんのひみつ道具には、のびたの欠点を補うために作られたような設計のものが多く、それがシリーズ全体の親しみやすさにつながっています。自分に似た弱さを持つのびたが楽しめる道具は、読者の共感を呼ぶ存在でもあります。

バランスローラースケートというシンプルな名前が示す通り、この道具の核心はバランスという一点に集約されています。ローラースケートに乗る上で最も難しいのはバランスを保つことであり、その課題を道具が全て解決してくれるという設計は明快です。道具の機能をシンプルに絞り込んで名前に表すというのは、ドラえもんのひみつ道具の設計哲学のひとつと言えます。機能が明確な道具ほど使い手のイメージも湧きやすく、読者の想像力を刺激します。

ドラえもんプラスに登場する遊び・スポーツ系の道具は、子どもの日常的な遊びをより楽しくする方向性のものが多くあります。バランスローラースケートもその典型で、既存の遊びを安全で楽しいものにアップグレードするという発想は、ドラえもんのひみつ道具が持つ親しみやすさの源泉のひとつです。

安全性を徹底的に追求しながらも遊びの楽しさは損なわない、というバランスはバランスローラースケートという名前にも象徴されています。バランスを保つという機能的な意味と、安全と楽しさのバランスという比喩的な意味の両方を体現した道具として、このスケートはドラえもんプラスシリーズの中でも印象的なひみつ道具のひとつです。のびたが安心して楽しめる遊び道具を提供するドラえもんの優しさが、この道具ひとつに凝縮されていると言えるでしょう。

バランスローラースケートのような安全性重視の遊び道具は、親の立場から見ると理想的なプレゼントとも言えます。子どもが転んで怪我をする心配がないという安心感は、保護者にとっても大きな価値があります。ドラえもんのひみつ道具は子どもの視点で描かれることが多いですが、この道具は大人の目線での安全への配慮も持ち合わせています。子どもと大人の双方に受け入れられる道具として、バランスローラースケートはドラえもんプラスの中でも特別な存在感を持っています。

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