これを見せるとどんな悪事も許される『悪魔のパスポート』の登場です。
ドラえもんに登場する数多くのひみつ道具の中でも、悪用される可能性が極めて高い道具として知られています。
正直者がバカを見る?
お小遣いの前借りを断られたのび太は、とことん悪者になってやろうとロクでもない思いつきをします。
ドラえもんが処分しようと思っていた『悪魔のパスポート』を奪い取ったのび太は、手当たり次第の悪事を働きます。
- タンスからお金を抜き取る
- ゴミ箱を倒す
- 土足で他人の家に上がる
- ジャイアンを殴る
- スカートをめくる
- マンガを万引きする
普通であれば叱られて当然の状況にもかかわらず、悪魔のパスポートの効力で全て笑って許されてしまうのです。
ドラえもん13巻「悪魔のパスポート」P140:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ところが根が素直なのび太は、自分がやっていることに対してだんだん申し訳ない気持ちが大きくなり、結局すべての悪事を精算し、真人間に戻ったのでした。
ドラえもん13巻「悪魔のパスポート」P143:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
悪用厳禁!
のび太のように善良な人間が悪魔のパスポートを使うと、結局最後は真人間に戻るようですが、悪人の手に渡ると本当に危険です。
どんなことをやっても許される環境なので、これさえあれば苦労することなく生きていけます。
ご飯も食べ放題、好きなところに行き放題、欲しいものを買い放題(もらい放題)。
人間のあらゆる欲を満たすための道具になってしまうでしょう。
ドラえもんも「処分する予定だった」というほどに危険なひみつ道具なのです。
未来の技術の集大成
こんな恐ろしい道具が一般人の手に渡ることもおかしい話ですが、そもそもどうして悪魔のパスポートが開発されたのでしょうか。
もっといえば、それを可能にした未来の技術にも驚かされます。
ドラえもん13巻「悪魔のパスポート」P139:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
人間だけでなく動物の心でさえ動かしてしまう悪魔のパスポートは、未来の技術のいいところを集めた究極の品物といえるでしょう。
真人間をあぶり出せるかも?
のび太のように根っから優しい人にとって、悪魔のパスポートは重荷になるようです。
これを利用すれば本当に心がキレイな真人間を選別できるチャンスかもしれません。
実現の可能性は低い
悪魔のパスポートが世の中で実現する可能性は極めて低いでしょう。
そのような技術開発の難しさもありますが、世の中の倫理的に許されるものではないからです。
裏の社会でこっそり流通する可能性もありますが、そこまでいったらおそらく世界は破滅の方向に向かってしまうでしょう。