こすると煙のロボットが出てきて、なんでも願い事を叶えてくれる夢のようなひみつ道具、それが『アラビンのランプ』です。
しかし、実はその裏には恐ろしい事実が隠されていたんです。
命令は何でもききます
ランプをこすると中から煙のロボットが現れ、ランプをこすった人を主人として、なんでもいうことを聞いてくれます。
「宿題をやってほしい」というと、ノートを持ってどこかに行き、戻ってくると宿題が終わっています。
「トランプしたい」というと、どこからともなくトランプを持ってくる煙ロボット。
実はこのロボット、魔法や手品で願い事を叶えていたわけではなく、無理やりだれかに宿題をやらせたり、人のトランプを無理やり奪ってきて、のび太に渡していただけだったんです。
100万円欲しい
そうとは知らないのび太。
煙ロボに100万円欲しいとお願いしてしまったからさぁ大変。
のび太のパパから100万円を奪おうとし、パパが100万円を持ってないとわかると、周囲に人になりふり構わず暴力をふるってお金を奪い取ろうとするではありませんか!
ドラえもん1巻「ランプのけむりオバケ」P180:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
命令は絶対にやり遂げるよう設計されているためロボットの暴走は止まらず、結局ドラえもんが【取り消しボタン】を押すことで、煙ロボはアラビンのランプに戻っていったのです。
力づくで目標を達成しようとする
命令されたことは絶対服従!
そうプログラミングされているせいで、煙ロボットは何がなんでも目的を達成しようとします。
- ドラえもんにストーブを点けさせる
- 先生に宿題をやらせる
- スネ夫からトランプを奪う
- ジャイアンのおかしを奪う
- パパや他人からお金を奪う
周りの迷惑をかえりみず、力づくで行動するのはよくありません。
おそらく煙ロボットは、目標をやり遂げるため、力は強めに設定されているんでしょう。
あのジャイアンですら全く敵わなかった様子ですので・・・。
しかし、命令した主人(のび太)を殴り飛ばしてまで命令をやり遂げようとするのは、よくないですねぇ。
バカとハサミは使いよう
アラビンのランプ、あまり使いみちがなさそうに思えますが、実はうまく使いこなせば優秀なひみつ道具になるかもしれません。
何がなんでも目標を達成するように設定されていることを利用し、人間には解決できない問題を解くよう命令してみるのです。
例えば、
- 環境問題の解決策を教えて欲しい
- 世界平和の方法を教えて欲しい
- 宇宙の真理を解明して欲しい
などなど。
えらい研究者に無理やり答えを出させるかもしれません。
でも世の中だれ一人として解決できない問題だってあるはずです。
そんな時、煙ロボットは一体どういう行動を取るのか興味がわきますね。
人が考え付きもしないような、あっと驚くプランを考えてくれるかもしれません。
現代のAIでは到底かなわない
最近はAIを搭載したスピーカーが話題です。
「ラジオをかけて欲しい」「電気つけて」「今日の天気は?」など、ごくごく単純な希望を教えてくれる(叶えてくれる)ことはできます。
しかし、自分で意思を持ち、目標達成までのプロセスを考えるアラビンの煙ロボットのような高度な行動はできません。
ランプをこすって出てくる煙が実体化するロボットなんて、いったいどうやって開発するんでしょうか。
ドラゴンボールに登場する『ホイポイカプセル』のように、物質を細かく分解して小型化する技術があれば、実現可能なのかもしれませんね。
無闇やたらに使わないようにしよう
もしあなたがアラビンのランプを手に入れたとしても、無闇に使わないことをおすすめします。
この煙ロボットは何をやらかすか、誰も想像がつきません。
トランプの対戦相手くらいを希望するのであれば大丈夫かもしれませんが・・・。
ドラえもん1巻「ランプのけむりオバケ」P177:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄