撮影した対象物がバッジになって出てくる『バッジ製造カメラ』の紹介です。
バッジ製造カメラについて
一眼レフカメラ型3Dプリンター内蔵スキャナーといえるでしょう。
ただし、デザインは昭和レトロなモダンな雰囲気が感じられます。
このカメラで撮影したものを本体の中で背景を除いてバッジとして加工する機能があります。
バッジは1つ4~5cmほどの大きさに加工されます。
自動シャッター機能が付いており、三脚を使っての自撮りにも対応。
バッジの加工にあたって原材料やフィルム、デジタルデータの保存方法については説明がありません。
バッジが大流行
のび太たちの間で、バッジ集めが流行しています。
スネ夫は63個、ジャイアン18個、しずかちゃん6個、そしてのび太は1個。
これからもいろんなバッジを集めようと楽しく話をしていますが、数が少ないのび太は仲間に入ることができず、仕方なく帰宅します。
ドラえもん5巻「バッジを作ろう」P119:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ドラえもんに相談したところ、ドラえもんが取り出したひみつ道具が『バッジ製造カメラ』でした。
バッジをたくさん作ろう
バッジ製造カメラを使い、のび太とドラえもんは怪獣、昆虫、動物、ヘリコプターなど、片っ端から撮影してバッジを作ります。
そうやって作った大量のバッジを友だちに見せたところ、あまりの大量っぷりに度肝を抜かれてしまうみんな。
ドラえもん5巻「バッジを作ろう」P121:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ぜひ自分たちのバッジも作って欲しいというジャイアンとしずかちゃんの声を受け、のび太とドラえもんはそれを引き受けるのですが、ここでスネ夫のずる賢さが発揮されます。
スネ夫が独り占めするも・・・
なんとスネ夫は、みんなが見ていないスキに、バッジ製造カメラといたずらカメラ(シャッターを切るとねずみのおもちゃが飛び出すやつ)をこっそり取り替えていたのです。
自分だけバッジを作ろうとしてバッジ製造カメラを独り占めしてしまったんですね。
意地の悪いスネ夫が考えそうなことです。
ドラえもん5巻「バッジを作ろう」P123:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
自撮りしようとしたスネ夫は、寝ていた狂暴な犬を誤って踏んづけてしまい、犬に襲われているシーンのバッジを大量に加工してしまうことになりました。
コレクション好きな人にはたまらないカメラ
子どもの頃、誰しもが色んなものを収集した経験があるでしょう。
人気のプラモデル、ガチャガチャ景品の消しゴム人形や、最近だとフィギュアなども人気が高い愛好品と思います。
コレクターとしていわゆる「オタク」となり、他人の収集物と自分のそれを比較したり、数を競ったりと心穏やかではないのではないでしょうか。
のび太の少年時代は、コミックに出てくるバッジの収集が子ども達の間で人気があったのですね。
そんな中、スネ夫のバッジに対する執念、他者との競争意識は、ひとりの「オタク」として確立されたものがあったのだと思います。
格下に見ていたのび太に数で追い抜かれたスネ夫の気持ちを考えると、コレクター魂に火がついてしまったのでしょう。
3Dプリンターの先駆け的な存在のカメラ
昭和モダンなデザインでありながら、現代の3Dプリンターとスキャナーの機能を有するバッジ製造カメラ。
ようやく時代が未来のひみつ道具に追い付こうと迫ってきています。
しかし、スキャン(撮影)から加工(3Dとして加工)までに要する時間は、瞬時にバッジを作ってしまうバッジ製造カメラにはまだまだ及びません。
バッジ製造カメラで撮影した対象物の色合いなども忠実に再現されるほか、バッジ加工の材料についても私たちには技術革新が必要であると考えられますね。
ユーモアを持ち続けよう
私たちの科学技術が、ひみつ道具「バッジ製造カメラ」に追いつくであろう遠くない未来の世界。
同様の素晴らしい技術を開発したとしても、願わくば昭和モダンな「一眼レフカメラ型3Dプリンター内蔵スキャナー」として普及させるゆとりとユーモアを、製造メーカーには持ち合わせて欲しいですね。
たくさんの楽しいバッジを、未来の子供たちが集めている素晴らしい社会の実現に向けて、私たちも努力が必要ですね。