目的の場所までくしゃみでひとっ飛び!そんな時はばくはつこしょうを使いましょう。誰かにこしょうのくしゃみをさせると、その勢いで目的地まで一気に飛んでいけるというひみつ道具です。準備も装置も不要で、こしょうを鼻先にふりかけるだけというシンプルさが最大の特徴です。
くしゃみで空を飛ぶ
よく学校に遅刻するのび太にドラえもんはばくはつこしょうを取り出します。このこしょうで誰かにくしゃみをさせると目的地までふっ飛ばしてくれる効果があり、のび太は空を飛ぶことに快感をおぼえるのです。
コショウというからには当然、鼻に入ると激しいくしゃみが出ます。そのくしゃみの勢いで自分自身が空を飛んで移動するというひみつ道具です。目的地をいいながらこしょうをふりかければいいのですが、目的地をいわないとランダムに飛んでしまうので行き先不明になってしまいます。
遅刻しがちなのび太にとっては救世主のような道具ですが、使いどころを間違えると大変なことになります。案の定ジャイアンにこしょうを取り上げられてしまうのですが、夕食時につかったせいで食事や家具が飛び回ってしまうオチを迎えるのでした。
ドラえもんはあまり大きなくしゃみをするとネジが飛び出る恐れが・・・ ドラえもんプラス3巻「ばくはつこしょう」P125:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
タケコプターいらず
ばくはつこしょうは誰かにくしゃみをさせ、その勢いで自分自身が空を飛んで移動することができます。目的地をいいながらこしょうをふりかければいいのですが、目的地をいわないとランダムに飛んでしまうので行き先不明になってしまいます。
タケコプターのように自由自在に操縦できるわけではなく、くしゃみの一発勝負で目的地まで飛ぶという点が特徴的です。空とぶじゅうたんやフワフワオビと比べると、準備も操作も不要でこしょうをまくだけでいいという手軽さがあります。ただし方向制御が効かないぶん、的確に目的地を口にしておく必要があります。
のび太は楽しむためにネコのくしゃみで空を飛ぶシーンがありますが、ネコのくしゃみは小さく途中で落下してしまいました。つまりくしゃみをする人(または動物)によって飛距離が異なることを示していて、人のくしゃみだと数百メートルがいいところではないかと推測されます。
一応動物のくしゃみでも飛ぶことはできる ドラえもんプラス3巻「ばくはつこしょう」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
飛ぶ距離には限界がある
ネコのくしゃみでのび太が空を飛ぶシーンがありますが、ネコのくしゃみは小さく途中で落下してしまいました。くしゃみをする側の体の大きさや肺活量が飛距離に直接影響するということです。同じ理屈でいえば、体格の大きなジャイアンのくしゃみと体格の小さな子供のくしゃみでは飛距離が大きく変わるはずです。
快速シューズのように継続的に移動し続けることはできませんが、目的地を正確に口にした上で使えば、短距離から中距離の移動には十分対応できそうです。特に遅刻しそうな朝や、急ぎの用事がある場面では重宝する道具です。
人が飛ぶくしゃみはどれほどの威力?
人を飛ばすほどのくしゃみというのは、実際にはどれほどの威力なのでしょうか。風速30m/秒以上の風を猛烈な風と表現し、人は立っていられず木は根こそぎ倒れるといいます。つまりばくはつこしょうによって吐き出されるくしゃみの強さは少なくともそれ以上の力を持っていることになり、口から超大型台風を吐き出しているようなものです。
肺に大きな負担がかかるでしょうし、くしゃみをした後の顔が苦しそうなのも納得です。くしゃみをする側にとっては相当な体力消耗が伴う行為なので、気軽に何度も頼むわけにはいきません。
非常に苦しそう ドラえもんプラス3巻「ばくはつこしょう」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
空気ピストルのように空気を操る道具に近い発想ですが、ばくはつこしょうはあくまでも人体から発生するくしゃみという生物的なエネルギーを使う点でユニークです。機械的なエネルギー源を持たず、生き物の自然な生理反応をエネルギーとして流用するという発想は、藤子先生の道具設計の中でもかなり独特の部類に入ります。
コミックやアニメの中では笑いの要素として描かれることが多いですが、実際に使うとなると周囲の安全を十分に確認した上で活用する必要がありそうです。遅刻しそうな朝に目的地を叫びながらこしょうをまく場面は、のび太らしいドタバタ感にあふれていて思わず笑ってしまいます。
くしゃみで飛ぶというシュールな発想こそ、ドラえもんのひみつ道具の醍醐味といえるでしょう。ガリバートンネルで小さくなって移動の負担を減らすのとはまた違う方向性で、いかに素早く目的地に到着するかという移動問題へのアプローチが面白い道具です。使いやすさと危険性が表裏一体になっているからこそ、ばくはつこしょうは読んでいて飽きないひみつ道具のひとつです。
ばくはつこしょうを使う上での注意点
ばくはつこしょうを安全に使うためには、いくつかの条件を満たしておく必要があります。まず目的地を明確に口にしてからこしょうをまくこと。目的地を言わずにくしゃみをすると、どこに飛ばされるかわからないランダム飛行になってしまいます。
次に、周囲の安全を確認すること。くしゃみをする人の正面に立ってしまうと、その人がくしゃみで吹き飛ばされてしまうか、逆にこちらに向けてくしゃみをされてしまうリスクがあります。こしょうを使う際は横や後方に立つのが基本です。
また、室内での使用は絶対に避けるべきです。夕食時にジャイアンが使ってしまったシーンのように、食事や家具まで巻き込む大惨事になりかねません。広い屋外でのみ使用するというルールを徹底することが、ばくはつこしょうを安全に扱う上での鉄則です。
くしゃみをしてくれる協力者を確保しておくことも重要です。ドラえもんのようなロボットはくしゃみのサイズ的に大きすぎる可能性がありますが、人間の協力者がいれば確実に飛ぶことができます。空とぶじゅうたんやフワフワオビと違い、他者の協力が必要という点では不便ですが、それゆえの予測不可能な楽しさもあるひみつ道具です。
同じ移動系の道具と比べてみると、ばくはつこしょうの立ち位置がよくわかります。タケコプターは自力で自由自在に飛べますが、ばくはつこしょうは誰かにくしゃみをしてもらう必要があります。フワフワオビは体に巻くだけで浮力が生まれますが、目的地まで一気に飛ぶことはできません。それぞれ一長一短あるなかで、ばくはつこしょうは瞬間的な長距離移動に特化した個性的な道具として際立っています。他の道具と使い分けることで、より状況に応じた移動手段を選べるようになるでしょう。





