軽四輪乗用車をコンパクトにした感じの2人乗りの掘削車両『地底探検車』。
ドリルを使い、地面をどんどん掘り進めることができる画期的なひみつ道具です。
穴ほり機の進化版
搭乗者は横に並んで搭乗します。
フロント部分に大きなドリルを搭載し、高速回転して前方を掘削する事により推進します。
車両の左右は悪路でも駆動可能なよう、キャタピラ式駆動車輪を採用。
搭乗エリアは視界を確保するため、ほぼ全面を透明の(おそらくは未来素材の強化プラスティック製)キャビンとなっています。
実はこの地底探検車、コミック2巻に登場した『穴ほり機』が進化したバージョンの機械です。
掘削能力がアップし、地底の高温、高圧の劣悪な環境にも耐えられるよう改良されているんですね。
目指せ、地下遺跡
ひみつ道具「ここほれワイヤー」で地下に街が埋まっている可能性を発見したのび太とドラミちゃん。
大発見の予感に、地底探検車を取り出し、早速地面を掘ってみることにします。
ものすごいスピードで掘り進めますが、潜れども潜れども一向に街が現れる気配がなく、さすがに1,000メートルを超えたあたりから不安を感じ始めます。
ドラえもん5巻「地底の国探検」P103:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
地上人を食べてしまうという地底人の噂なども思い出し、地下5,000メートルを超えたところで引き返す判断をします。
ところが引き返すために必要な機能、肝心の【逆転そうち】が故障し、高温・高圧のマントルに突っ込む恐ろしい展開になることに・・・
地底探検車自体は頑丈な造りをしているので問題ありませんが、乗っているのび太とドラミちゃんは途中で気を失ってしまいました。
ドラえもん5巻「地底の国探検」P104:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
結局エンディングでは、地球の裏側にある1,000年前のマヤ遺跡に辿り着く結果になりました。
おどろきの耐久性能
コミックでは、地球の真ん中に飛び込んでいった地底探検車。
果たして未来の世界では、マントル内を走行する車が人類に開発できる日が来るのでしょうか?
私見ですが、対マントル対策として気圧、熱、キャビン内の酸素の確保など、タイムマシンと同じくらい実現のハードルは高いものと考えざるを得ません。
ドラえもん5巻「地底の国探検」P105:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
宇宙や海底と同じくらい、地底は未だ謎が多く解き明かされていないフロンティアです。
ドラえもんやドラミちゃんが繰り出すひみつ道具は、これからも地底のミステリーを追いかけてくれることでしょう。
できれば危険を伴うことが予測される場合は、出発前にひみつ道具の点検を済ませておきたいものです。
100円が生み出した地底旅行
100円のお小遣いを増やしたいというのび太の思いつきから、地球の内部コアを通過して地球の裏側にある1000年前の遺跡にまで行き着いた大冒険でした。
日常の何気ない思いつきから、まさに命を懸けた、そして時空を超え地球規模のスケールの物語となるところが、ドラえもんの面白いところといえます。
現実の世界で地底探検車を走らせようとすると、水道管やガス管、地下鉄などあらゆるものが障害物になってしまいます。
掘った穴が崩れてしまう恐れもあり、使用する上では細心の注意と万全の準備が必要です。
他の星の内部探検などにも使えるかも
未来の世界では、地底探検車を使い、月や火星など別の星の内部探検に使われているかもしれないですね。
現代の技術では地表の砂や石を持ち帰るのが精一杯ですが、穴を掘って中まで調べることができれば、今までにない新しい発見が待っていることでしょう。