『ダッピ灯』を浴びると、皮膚の下に新しい皮膚が生まれ、古い皮をぬいで脱皮することができます。
コミックでは脱皮してできた皮を使い、のび太が自分の身代わりとして使いました。
身代わりが大活躍
スネ夫に絵の才能を褒めちぎられたジャイアンは、歌手から画家に転向しようと決め、のび太をモデルに起用しました。
実はこれ、ジャイアンの迷惑な歌をこれ以上聴きたくないというスネ夫の悪知恵だったのですが、モデルになったのび太にとってはいい迷惑です。
少しでも体を動かすとジャイアンに殴られてしまうため、ドラえもんに借りた『ダッピ灯』で自分の分身を作り、その場を逃れたのび太。
怒ったジャイアンがのび太を探し回る途中、ひょんなことからスネ夫の本当の目的を知ったジャイアンはターゲットをスネ夫に変更し、追いかけ回します。
最終的にはジャイアンとスネ夫の脱皮した皮の身代わり同士が丸裸で雨の中でにらみ合うという、なんとも不思議なオチを迎えるのでした。
ドラえもん14巻「からだの皮をはぐ話」P23:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
立体コピー紙と似ている
ダッピ灯は自らの分身を作り出すのに便利に見えますが、実は『立体コピー紙』のほうが一枚上手かもしれません。
立体コピー紙は現代版の3Dプリンターのようなもので、対象物が何であれ紙にふれると本物そっくりの立体コピーを作成することができるのです。
ダッピ灯はおそらく生き物だけが対象だと思われ、しかも皮を脱ぐ手間もあります。
人間では体験できないようなダッピの感覚を学ぶのにはもってこいなのでしょうね。
成長を伴わない脱皮
動物が脱皮するのは、今よりも大きく体を成長させるためです。
ところがダッピ灯を使って分身を作ったところで、自分の体が大きくなるわけではありません。
かといって逆に体が小さくなったり、疲労感を感じたりなどということもなく、人体に影響を及ぼすことなく皮を脱ぐことが可能です。
身代わりには服が必要
脱皮して出来上がった皮は、生まれたままの裸の姿で誕生します。
自分の身代わりとして使うためには服を着せるか、もしくは絵の具で服を描くなどの対応が必要です。
ドラえもん14巻「からだの皮をはぐ話」P22:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
見た目がリアルなのに、服を着て微動だにしなければ、逆に周りから変人扱いされて皮だということがバレやすくなりますね。