ビデオのように現実の時間を巻き戻したり早送りすることができる『現実ビデオ化機』。
便利なひみつ道具ですが、効果の範囲がいまいち不明なところもあります。
のび太が野球で大活躍?
野球の打率を上げたいのび太でしたが、そんな都合のいいひみつ道具は存在しません。
ドラえもんもお手上げ状態だったところ、『うる星ケニヤ』のビデオをヒントに思い出したのが『現実ビデオ化機』です。
ドラえもん35巻「空ぶりは巻きもどして・・・」P59:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
日常生活をビデオのように巻き戻したり早送りし、同じシーンを何度も繰り返し体験できるのです。
1日を何百回も繰り返して野球で大活躍する成績を残したのび太でしたが、同じことを何度も繰り返した周囲の人はヘトヘトになっていたのでした。
都合のいいように現実を変える
うまくいったシーンの感動や、失敗した時の反省を活かすために『現実ビデオ化機』を上手に使いましょう。
のび太のように野球の打率が一分(100回に1回ヒットを打つ成績)でも、100回巻き戻せばヒットが出るわけです。
都合のいいように現実を変えてしまいましょう。
蓄積される疲労
『現実ビデオ化機』は時間をそっくりそのまま巻き戻すわけではありません。
繰り返し出来事を経験した人が疲れてヘトヘトになっている様子を見ると、生き物に対する時間はずっと流れているようです。
これはつまり、調子に乗って『現実ビデオ化機』を使いすぎると、過度の疲労や睡眠不足でみんな突然倒れてしまうことが予想されます。
影響する範囲を変更できます
『現実ビデオ化機』の影響範囲は周囲一体から特定の個人まで幅広く設定することができます。
ドラえもん35巻「空ぶりは巻きもどして・・・」P62:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
『ビデオ式なんでもリモコン』の発展版と考えることができますね。
記憶が残る人の定義があいまい
設定が甘いのかまだ理解が足りていないのか、『現実ビデオ化機』の周囲の人の記憶に対する影響があいまいなところが見られます。
冒頭でドラえもんは『現実ビデオ化機』を使ってドラやきを繰り返し食べますが、隣にいたのび太は時間が巻き戻ったことを理解しています。
ドラえもん35巻「空ぶりは巻きもどして・・・」P59:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
一方、野球でヒットを打つために何百回も時間を巻き戻した時には周囲の人はその事実に一切気付いていません。
使った本人の記憶が残るのはまだ理解できるとして、どうしてのび太だけ記憶が残っているのか。
特殊なフィルターが設定されている可能性もありますし、単にご都合主義なだけかもしれません。
こういう細かい点を考え始めるとドラえもんの話が成り立たなくなるので、ある程度のところでやめておきましょう。