ドラえもんはネズミが大の苦手。ネズミ退治のためなら手段を問いません。
今回はそんなドラえもんが出した恐ろしいひみつ道具『ジャンボガン』を紹介します。
ネズミに恐怖するドラえもん
ある日の事、のび太の部屋にママが飛び込んできます。
何でも家に「とある恐ろしいもの」が出たとの事。
実はそれはネズミのことなのです。
「大人なのにあんなにうろたえるなんて」と笑っていたのび太とドラえもんでしたが、いざドラえもんの横をネズミが横切ると、ママ以上の悲鳴を上げて部屋の中へ逃げ出してしまいます。
そんなドラえもんに呆れながらも、「未来のネズミ捕りでもだしてもらおうよ」とママと一緒にドラえもんを追って部屋に入ろうとしますが、入るなり凄まじい銃撃がのび太を襲います。
ドラえもん7巻「ネズミとばくだん」P82:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
驚いたのび太が弾が飛んできた方を見ると、それはライフルを持ったドラえもんでした。
いきなりの銃撃に怒るのび太でしたが、ドラえもん曰く「ネズミかと思った」と。
そんな興奮状態のドラえもんがのび太に対ネズミ用にと渡したのが「戦車を一瞬で吹き飛ばす」という『ジャンボガン』だったのです。
恐ろしい性能の道具が流通する未来の世界
これは銃の性能がどうこうよりも、22世紀における家庭用ロボットの安全基準の問題にかかわってきそうです。
こんなのをポケットに持っているロボットが普通に市販されているの22世紀の世界は色々と怖すぎます。
(もっともこの話だとこれ以外にも安全面にかなり問題のある道具が出てくるわけですが。)
しかしこのジャンボガン、「戦車を一瞬で吹き飛ばす」のは威力として恐ろしすぎます。
これを普通の民家の中でぶっ放せと狂った事を言っているのが、誰であろう他ならぬドラえもんです。
さすがにストーリー中で撃つ描写はありませんが、ドラえもんのネズミに対する恐怖心と狂気を堪能するには十分です。
これ以降封印されたジャンボガン
流石に性能が危険すぎるせいか、ジャンボガンはこの話以降に再登場はしていませんし、似たような道具もありません。
これを出したときのドラえもんが狂っていたとしか思えませんね。
以降のドラえもんの世界(大長編を含めて)で言う武器は「空気砲」や「ショックガン」といった、比較的ダメージが少なめと思われるものがメインとなっていきます。
威力は確かですが、ジャンボガンがメイン武器だと、ドラえもんのファンタジーな世界感を軽く飛び越えてしまう危険性もはらんでいますしね。
そんな危険な武器であるジャンボガンですが、見た目も拳銃の倍ぐらいあり、重さもそれなりにあります。
ドラえもん7巻「ネズミとばくだん」P85:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
いくら射的が得意なのび太とはいえ、果たしてまともに撃つことが出来たかどうかも疑問です。
現実世界のジャンボガン
流石にこんな無茶苦茶な拳銃は現実世界では存在しないだろうと思われていましたが、アメリカにはM500という拳銃がありました。
何を思って作られたのか、この拳銃は大きさが普通の拳銃の倍近くあります。
さすがに戦車を一瞬で吹っ飛ばすほどの威力ではありませんが、それでも44マグナム弾の3倍の威力を持つとされています。
1歩間違うと拳銃というより小型兵器?と思ってしまうM500ですが、試し撃ちをしている動画がネット上では数多く上がっています。
反動が大きく、腕をさするシーンが印象的です。
本来は両手で支えて撃つ拳銃ですが、動画の人は衝撃を逃がすアクションが上手なので、片手で撃っています。
それに近い大きさのジャンボガンを、果たしてのび太は上手に使いこなすことができていたのでしょうか?
22世紀のひみつ道具ですし、おそらく反動抑制装置のようなものは搭載されているでしょうが、いずれにしても平和な町中でぶっ放すような代物でないことだけは確かです。